内容説明
博覧強記の著者が、『字統』『字訓』『字通』の字書三部作等で知られる知の巨人・白川静の学問、思想、人生に分け入った初の入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomoichi
20
白川静の著作をまた読み直そうと、とりあえず入門書からやり直し。編集者だけあってうまく整理してあり、白川静の世界を理解する上のポイントをまとめてくれているので、安心して白川静の著作に再チャレンジ出来そうです。2023/11/23
bapaksejahtera
12
白川静の本は辞書を始めとしてかなり持っているが、いつかそのうちと思いつ、積ん読になっている。これではいけないと本書を手に取った。初めのうち、中華における漢字の意味ー呪術的力やその中で基幹となる構成要素ー漢字を構成する「口」は言霊を入れ置く容器「サイ」である等を説きつつ、解りよく進んだが、白川の信奉者で晩年近しく接した著者に私は馴染みがなく、思考についていくのにやや疲れた。それでも漢字学者に留まらぬ白川の思想や主張ー戦後の国語政策批判等からは、この学者の著作にもう一度腰を入れる必要があると強く思うに至った。2024/12/22
Liu Hachi
8
甲骨文字が発見されたのは1899年である。 それまでは青銅器に刻印された金文が語源、解釈の基本であった。甲骨文字の発見以後に宗教、邪術という視点に重きをおき、その成立、発展を考察したというのが白川学の背骨である。しかるに、その解釈は多分に神話、霊性に関連するものとなる。 和漢をまたぐ視点にひとつ明確な方法意識があったと松岡さんは語ってらっしゃるが、逆に漢意と大和心というのがあって、その差異について白川先生はどの様に語っていらっしゃるのか。もっと学びたい。さて字訓を紐解こうか。2024/07/06
老齢症状進行中
3
先ごろ亡くなられた松岡さんを偲んでこの本を読みましたが、抜群に面白かったです。一気読みです。それにしてもこの世界にこの人がいてよかったと思える人ですね。かって学生運動が盛んだったころ、立命館も学生が封鎖して誰も中に入れなかったときに白川先生だけはそのまま学内に入れたというエピソードを聞いた覚えがありますが、さもありなんかなです。少しずつ白川先生の著作に挑みます。2024/10/05
Go Extreme
2
文字が世界を憶えている: 『漢字』の衝撃 原初の祈念や欲望 文字を写しながら考える 呪能をもつ漢字: 甲骨文の誕生 言霊の攻防 古代中国を呼吸する: 洪水神話と古代の王たち 古代中国の歴史 漢字のマトリックス 古代歌謡と興の方法: 白川論文の独創性 研究の深化と蓄積 巫祝王のための民俗学: 民俗学の開化 春秋から戦国へ 狂字から遊字におよぶ: 新し孔子像 「狂」の二面性 遊ぶものは神である 字書の哲学 漢字という国語: 漢字の原理 デュアル・スタンダード 日本の文字革命=仮名 呪能と歌の心―白川静の魅力2022/05/21
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