内容説明
風雲急を告げる幕末の京都。旅芸人の一座とはぐれ、京の街をさまよっていた役者くずれの坂本朝太と前座の咄家・桂珍平は、ひょんなことから新選組に入隊することになってしまった。
わけもわからず隊士となったものの、持ち前のひょうきんさで組の人気者になった二人。
人前では決して笑顔を見せない副長・土方歳三を笑わせ、「壬生狼」と呼ばれ畏れられる新選組を変えてやると奮闘するのだが…!?
近藤勇、沖田総司らを巻き込んだ、壬生義士たちの騒動をおもしろおかしく描いた「鬼が笑う日」をはじめ、柔道の達人・西郷四郎や明治の文豪・夏目漱石と迷コンビの交流を絶妙の筆致で織りなす、笑いあり、涙ありの痛快時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
46
ぶはっと吹き出すのは笑いだけにしてください。鼻水吹き出す土方歳三…私にはまだ荷が重いのでございますっ。色っぽい色白のお尻も…それはちょっと見たい、いや生唾飲んじゃうと思うけど…勘弁してください。コミカルな幕末・明治を描けば、軽快な掛け合いに笑い時々涙がポッと心を明るくする。優しく粋で陽気な流れ者が懸命に生きる人々に笑顔を咲かせる痛快時代小説!タイトル『壬生狼』からあの新選組を期待して読もうとしている、そこのあなた!全力で忠告したい!!その期待は99%裏切られる!坂本朝太と桂珍平の人生珍道中。斎藤一も登場!2022/03/19
まぬけのまりこ
1
新選組から講道館、夏目漱石をつなぐ。うんまあ、難しいこと考えずに軽ーく読むべし。出だしの副長の描かれ方に正直怯んだけれど、まあまあ、広い心で。 2022/05/24