内容説明
2270年。太陽系に繁栄していた超高度文明の遺跡から、慣性質量をコントロールする機器(IMC)が発見される。人類の更なる宇宙進出に向けてIMCを実用化すべく研究が開始される。ところが実験中にアクシデントが起こり……。人類は未知の機器を使いこなせるのか。オーバーテクノロジーを手にした時、目にするものとは!? 第1回草思社・文芸社W出版賞金賞の本格SF小説文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TSUBASA
10
2279年、惑星間の超光速移動を可能にした慣性質量制御装置IMC。しかしそれはアンセスターと呼ばれる人類の歴史以前に繁栄していた者たちのオーパーツ。その失われた技術の実用化を巡って過去に起きたイシス・アクシデントとは。カラビ=ヤウ空間だとか、AIだとか、量子コンピュータだとかガツガツ出てきたり、多次元との入れ替わりによる物理現象を想像する楽しさはあるけど、ちょっとドラマに物足りなさを感じた。ディティールは申し分ないけど、もっと凝縮してアンセスターを巡る長大な物語の一編としてだったらより楽しめたかも。2022/03/05