内容説明
「オール讀物」新人賞受賞作「姉といもうと」を含む傑作短篇集。
幸田文の『流れる』に憧れる家政婦の姉と、指がないが活動的でラブホテル受付をする妹。
つぶれたスナックの女性店員たちが開いた競馬場での同窓会。
職人気質のクリーニング店主と常識外れの若い女性客。
駐車場の猫に餌をあげている布団屋の妻と、“役者のような美男子”の夫……。
おもわずほほえんでしまうユーモア。人間観察からあふれでる、生きることへの“姿勢の良さ”がにじみ出る。
解説・森絵都「どんな個性も大らかなユーモアをもって包みこむことで、マイナスをもプラスに転化させる。これぞ嶋津マジックだろう」
何気ないやりとりから生れる違和感がクセになる、オリジナリティ溢れる全7篇。
※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本『スナック墓場』の文庫版を底本としています。
文庫化にあたり、改題しました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
256
表題作含む7篇の短篇。どの話もね、小ぢんまりとした毎日と言うか、内輪話って感じなのね。特に劇的なドラマも無い、何処にでもありそうな日常を過ごしています。しかしながら、どれ一つとして同じものは無いって事なのですかね。至極当たり前過ぎる事ですが。ちょっと変わってはいるかも知れないけれど、何処かには居そうな登場人物の皆さん。また、日々は移ろいながら過ぎますね。だもんですから、話が終わった後の余韻もあり、この後どうなるのかな。こういう風になったら良いのにな等々、色々妄想してしまいますね。愉しいですね( ¨̮ )。2023/08/24
もんらっしぇ
111
『「スナック墓場」じゃ、インパクトはあるけど陰気なタイトルだしいくら何でも売れないだろ』『あはい、サーセン』『ターゲットの女性読書家の多くはおそらく猫好きだから「駐車場のねこ」だな』『あはい、あざす』とかなんとかいう会話が文藝春秋社内、新旧編集者の間であったかどうかは分かりませんが(爆) 私自身にとって意外だったのは、ミステリーでもグルメものでもない、もっとも苦手なジャンルである現代社会の日常を舞台にした短編小説を、思いがけずするすると読了することが出来たこと(^^♪ → 2026/04/01
ゴンゾウ@新潮部
106
「襷がけの二人」がとても良かったので本作を手に取りました。短編集の7作品に登場する人物がとても個性的です。人物描写を読みながら頭の中で思い描きながら読み進めました。そしてそれぞれの関係が暖かくて良い読後感でした。2025/09/02
シナモン
100
直木賞受賞作「カフェーの帰り道」が良かったので他の作品も読みたくなって手にとった。短編集だったけど、どれも私が好きなちょっと仄暗い感じがあってとても良かった。どこにでもいそう、どこにでもありそう、だけどなんか引っかかる、そんな感じがクセになる。嶋津輝さん、この先も追いかけたい。 2026/03/12
みかん🍊
82
改題されて文庫化の『スナック墓場』だったとはタイトルに騙された、とはいえすっかり忘れてて普通に読了したが改題して装丁も変更っていうのはやめて欲しい、普通の人々の何気ない日常ではあるが、普通の人などはいないくせがあったりそれぞれの事情や思いを抱えて生きている、最初は不穏な雰囲気を醸し出してはいるが最後は読後感良く終わる、しかしカシさんは何者かとかふぐ屋はどうなったのかとか疑問は残ったままだった。2025/04/16




