日本の開国と多摩 - 生糸・農兵・武州一揆

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日本の開国と多摩 - 生糸・農兵・武州一揆

  • 著者名:藤田覚
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 吉川弘文館(2022/03発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784642059039

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内容説明

ペリー来航や開港・自由貿易の開始は多摩の政治・経済・社会に何をもたらしたのか。幕府の軍事・支配強化のためのカネ・ヒトの負担、最大の輸出品であった生糸生産を支える一方で生じた経済格差、農兵が鎮圧した武州一揆。その要因や実態を相模国・上野国なども視野に入れつつ丁寧に読み解く。未曽有の大変革に生きた多摩の人びとの営みを描く。

目次

幕末の多摩―プロローグ/幕末の歴史と多摩(多摩と幕末政治史/多摩の特徴)/際限のない負担増(開国・開港と多摩/幕府からの負担/旗本からの負担増/民衆の軍事動員―兵賦)/治安の悪化(治安悪化と外国人の来訪/尊王攘夷運動激化と治安の悪化/農兵―百姓の治安維持動員/勘定所八王子宿陣屋設置計画―情勢緊迫化と支配強化)/開港と地域社会の変容(開港と経済変動/異常な物価高騰/養蚕・生糸生産の活況/絹織物業への打撃)/慶応二年武州一揆と多摩(慶応二年の養蚕・生糸/幕府の流通統制と生糸蚕種紙改所/武州一揆と多摩)/幕末の変革期に生きた多摩の人びと―エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鵐窟庵

7
江戸幕末から明治維新にかけての東京多摩地区の歴史。開国の激動の影響を被り、東京中央から財政負担増や兵役普段増が行われた。また物価高騰もあり、中小農家の負担はますます苦しくなり、治安が悪化して各地で一揆が起こった。また、そのため無一文になった農家は生糸に縋り付いた。今でも八王子から横浜までの地域が「生糸の道」と呼ばれるのは当時八王子産生糸を横浜で積荷して世界中に輸出していたからである。今でこそ多摩は東京郊外の緑の多い環境だが、当時は江戸東京中心部のされるがままの存在であった。2020/09/12

アメヲトコ

6
20年7月刊。これまでの著者の政治史研究とは異なり、開国後の激動を、現八王子市市域を中心とする地域社会の視座から描いた一冊。横浜と「絹の道」でつながる八王子の隆盛と地域社会の激変ぶりを読むと、八王子を中心とする現在の交通網のありようとか、某有名シンガーソングライターを生んだ土壌なども腑に落ちるところがあります。なお新撰組についてはわずかしか触れられていないので、タイトルからそちらに期待されている方は注意。2020/10/17

onepei

1
治安活動に引っ張りだしながらも、武芸は禁じていたというのが興味深い2020/11/21

Sanchai

0
ペリー来航から大政奉還までの約15年間の、多摩地区、特に八王子周辺のランドスケープの激変ぶりを描いた本。わずかな期間のうちに、田畑がどんどん桑畑に変わっていく様子が目に浮かぶ。2020/10/16

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