平将門の乱を読み解く

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平将門の乱を読み解く

  • 著者名:木村茂光
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 吉川弘文館(2022/03発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784642058896

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内容説明

「新皇」即位―。皇統を揺るがせ、朝廷に衝撃を与えた平将門の乱。貴族社会に深い刻印を残した反乱の原因を探りつつ、その過程に八幡神や天神など新しい神々が登場する意味や国家の高度な支配イデオロギーである王土王民思想が発現される要因などに焦点をあてる。古代社会の大転換を象徴する反乱を多角的に分析し、その国家史的意義を読み解く。

目次

「平将門の乱」とはなにか―プロローグ/平氏一族内紛の要因 「女論」か「遺領争い」か(一族内紛の要因はなにか/筑波山西麓の政治的位置/乱後の筑波山西麓の政治的位置/平氏一族内紛の要因)/国府襲撃と平将門の政治的地位 「移牒」と「営所」の評価を中心に(「国府襲撃」事件の経過/将門の政治的地位(一)―「移牒」の性格を中心に/将門の政治的地位(二)―「営所」の性格を中心に/将門と平氏一族の政治的地位)/「新皇」即位と八幡神・道真の霊(「新皇」即位の歴史的意義/平安京における道真の怨霊と八幡神/関東における道真信仰/平将門の乱と中世的宗教秩序の形成/「新皇」即位と八幡神・道真の霊)/「新皇」即位と王土王民思想(九世紀後半・一〇世紀前半の王権の揺らぎ/「新皇」即位と天命思想・皇統意識/「新皇」即位と王土王民思想/「新皇」即位の歴史的意義)/「冥界消息」と蘇生譚の世界(『将門記』の「冥界消息」/「冥界消息」中の識語と構成/将門の子孫の冥界譚と伝説/将門の「冥界消息」と将門の乱)/「新皇」将門の国家構想―エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Jampoo

16
「将門記」を下敷きに平将門の乱の背景を探る本。 鎮守府将軍の利権や将門の拠点の検討など乱そのものの直接的な部分と、社会的な情勢の部分が半々くらいでどちらも興味深かったが蘇生譚など宗教的な部分はあまり理解しきれなかったかも。 当時の唐や渤海の滅亡に影響を受けた「革命」思想の下「新皇」を宣言した将門が、従来の神ではなく「怨霊」の菅原道真を正当性の拠り所としたというのが面白い。 後の鎌倉幕府を思わせるような武家の先駆であった将門と、彼が生きた律令国家崩壊の時代にますます興味が湧いた。2025/09/22

さとうしん

14
序盤で平氏一族内紛の要因について議論していたりもするが、メインは新皇即位の思想史的意義に関する議論。関東に道真信仰が持ち込まれた経緯や、新皇即位が中央政界にインパクトをもたらした背景として、光孝即位以後の皇統のゆらぎや、唐・渤海・新羅の滅亡などを挙げているのがおもしろい。2019/11/05

ミネ吉

13
平将門の乱。有名だが良く知らないので手に取った。読んでわかったのは、この事件の謎の多さ。きっかけとなる平氏一族の内紛は、何故内紛が起きたのか不明。次に将門が、武蔵国で国史と郡司の対立の調停に乗り出すが、何故無位無官の将門が仲裁するのか不明。そして行き違いから東国諸国を攻め落とし八幡菩薩と菅原道真の霊魂を背景に「新皇」を名乗る・・・唐突感がある。本書はこれら謎を、当時の東国平氏の位置付けや、宗教的・思想的背景などを元に推測する。明確な答えは得られないが、当時の物の見方考え方に触れられた気がして楽しかった。2024/04/07

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