〈謀反〉の古代史 - 平安朝の政治改革

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〈謀反〉の古代史 - 平安朝の政治改革

  • 著者名:春名宏昭
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 吉川弘文館(2022/03発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784642058872

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内容説明

天皇主導の時代から、貴族が主役の時代へ―。平安時代前期、充実した国政運営が進展する一方で、承和(じょうわ)の変をはじめとする謀反が頻発した。国家が発展して、なぜ政治的混乱が起こるのか。有能な官僚による「良吏(りょうり)政治」の下で変質する天皇のあり方や、貴族と天皇の君臣関係を読み解き、政治を動かす巨大なエネルギーの実態を浮き彫りにする注目の書。

目次

古代の政変・謀反・クーデター―プロローグ/良吏政治の展開(〈時代〉が変わる―ワンランク上の国家を目指して/官人たちが変わる―「良吏政治」のスタート/天皇が変わる―桓武天皇と平城天皇/嵯峨朝への政策継承/良吏政治の実践)/天皇大権のゆくえ(淳和朝・仁明朝の政治状況/承和の変/母と娘―橘嘉智子と正子内親王/文徳朝・清和朝の様相/応天門の変)/貴族の時代へ(源氏の左大臣と藤原氏の右大臣/清和天皇の悲嘆/藤原基経の国政運営/陽成天皇の廃位/阿衡の紛議/昌泰の変)/政治を動かす巨大なエネルギー―エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

terve

29
オススメ本です。奈良時代の天皇親政から平安時代前期の良吏政治への移行について、変を通して解説した良書。同じ藤原氏でも冬嗣と良房と基経には天皇に対する認識に差があったなど、示唆に富んだ内容が多い本です。しかし、安定がもたらされるということは、変革の予兆であると言えそうです。結局組織も何もかも、作り上げることとそれを維持するということの間にはとてつもないエネルギーが必要なんでしょう。奈良時代から平安時代前期における政治体制の移り方は、そのまま会社や組織の体制移行に繋がるように思います。2019/12/02

ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪

16
さて〈謀反〉ってなんだろう?正確には言えないけど時代が変わるエネルギーかな。そこにはいつも政治が絡んでくる。本書は奈良時代から平安初期を題としているがこの時代のメインはやはり天皇と藤原氏になってしまう。橘氏や他の氏族もいたのに排除や対抗心でが残念な変化をあたえてしまった。その先の綺麗な貴族社会は本当に良かったのだろうか。2020/12/10

かなで

14
資料。ちょっとした資料としては読みづらいかも…。2020/01/31

ほうすう

11
抜群に分かりやすく、抜群に面白い古代史を扱った概説書。主として取り上げられているのは桓武天皇の登場から昌泰の変までといった平安前期。天皇主導の時代から数々の謀反・争乱を踏まえ貴族主導の時代までへの移り変わりを解説してくれる。歴史とはこんなにも分かりやすく説明することができるのかと感心した。一方でここまで分かりやすくするには切り捨てられた面もあるのかもしれないが、古代史の概略をつかむという意味では抜群に優れた本であると思う。この著者の書いた本をもっと読んでみたいと心から思った。2019/11/30

MUNEKAZ

10
著者も述べてますが出版社のつけた書名はちょっと外していて、実際は桓武~醍醐までの平安前期に行われた政治改革とそのリアクションとしての「謀反」を扱った一冊。とくに嵯峨天皇の御代を大きく扱っていて、この時期に行われた「良吏政治」を目指す一連の運動で能力と自信を高めた貴族たちと、桓武天皇を範として強力な指導者を目指す天皇たちとのパワーゲームが、相次ぐ謀反や政変を生んだとしている。正直、著者の見方や推論も強引に思えるのだが、「政治主導か官僚主導か」という現代にも通ずる問題が根底にあってなかなか興味深いところ。2019/09/26

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