海底に眠る蒙古襲来 - 水中考古学の挑戦

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海底に眠る蒙古襲来 - 水中考古学の挑戦

  • 著者名:池田榮史
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 吉川弘文館(2022/03発売)
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  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784642058780

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内容説明

鎌倉時代の蒙古襲来時に沈んだ元寇船が発見された長崎県の鷹島海底遺跡。当時の造船技術や積荷などの解明に大きな期待が寄せられるが、水中という困難な環境でいかに調査は行われたのか。音波探査やダイバーによる発掘作業、映像撮影、実測図作成、船体保存など、試行錯誤で進められた現場の様子を紹介。水中考古学の手法と今後の可能性を探る。

目次

水中考古学とは―プロローグ/鷹島海底遺跡と調査の歩み(鷹島海底遺跡/これまでの調査の問題点)/蒙古襲来(蒙古襲来前夜/文永の役/弘安の役)/蒙古襲来の解明に取り組む―調査手法の模索(いざ、鷹島海底遺跡へ/音波探査の試み/水中考古学的調査手法の模索)/鷹島一号沈没船と大型木製?の調査(元軍船の確認へ/鷹島一号沈没船の水中発掘調査/鷹島神崎遺跡の国史跡指定とさらなる調査へ/鷹島一号沈没船の実像/大型木製碇の調査と検討)/鷹島二号沈没船の調査(鷹島二号沈没船の発見/鷹島二号沈没船の構造と遺物)/新たな研究ステージへ―エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

77
元寇の舞台となった場所で沈没船が見つかったニュースは何となく記憶にありました。蒙古襲来の経緯もわかりやすくまとめられていて、知らないことも多かったです。実際の調査過程は専門的で難しい部分もありましたが、調査がどのような流れで行われるのかイメージできました。船体引き揚げには資金面や技術面で沢山課題があるとのこと。いつの日か引き揚げに成功したら、元軍船を見てみたいです。2020/12/03

金吾

28
引き揚げられた元寇での沈没した物の一部を鷹島に見に行ったことがあり、背景等興味深く読めました。学術的に意味があることでもなかなか予算がつかないというのは理解できますが、勿体ないなあと思う部分もあります。2023/09/28

22
蒙古襲来の際、暴風雨で伊万里の海に沈んだ元や江南の船の調査の過程を追った本。指導していた学生が海中考古学で卒論を書きたがったので、ダイビング資格を取ったことから始まった著者の研究。こんな面倒みの良い先生に学生の頃に会いたかった。GPSや音波探査機で遺物の位置を特定し、潜水調査を行う。元船も引き上げはせず、保全措置を施して、海中に眠ったままなのだという。限られた時間や費用、協定を無視して押し寄せるマスコミによりストレスはマックス。どんな分野でもそうだけど、少しでも研究に集中できる環境を整えてあげたい…。2019/08/11

4
蒙古襲来(元寇)時に暴風雨によって沈没した元軍船の調査研究ドキュメンタリー本。水面下に存在している遺跡の調査研究を行うのが水中考古学で、発掘作業は陸上の考古学と異なり水中で行われるため、さまざまな困難が発生する。調査船にとりつけたGPSで位置情報を計測しながら、音波探査装置で海底地形や堆積層の状況を探り、遺物に遭遇した場合は水中作業専門のダイバーが潜水して調査や発掘を行う。海底での船体の保全、引き揚げに向けての検討等、課題は多いが、地球表面の7割は海洋であるため、調査可能な研究対象が増えるのは大きい。2019/02/07

こまさん

4
ドキュメント、鷹島沈没船発掘。成果紹介より、プロセス紹介。思っていたような本ではなかった。2019/01/03

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