内容説明
古代日本における天皇の側近とは、いかなる存在だったのか。都造りなど天皇周辺の事業から手がかりを探り、藤原・阿倍氏らが担った内臣の職の起源と展開を軸に、聖武天皇・光明皇后を中心とした人間関係などを読み解きながら側近の具体像に迫る。天皇家と律令制の構造の中で側近たちが果たした役割を位置づけ、彼らを通して古代国家像を描く。
目次
側近とは何者か―プロローグ/日本古代史における側近の可能性(平安初期の政局と側近たち/律令官僚制と側近のあいだ)/側近のてがかり―天皇周辺の事業から(古代の都造り/都造りに動員される人々/造営官司と官人たち)/側近の具体像・内臣(内臣とその淵源/八世紀の天皇家産と藤原氏/仲麻呂と紫微中台)/側近の諸相(称徳女帝の側近たち/側近になるメリット/ある側近の人生)/内臣の変質と新しい側近の姿(新しい王統と側近の展開/平安時代への展開)/側近からみた日本の古代国家―エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
16
挫折。側近を定義するために、天皇に近しい人や側近くで仕えている人、伸し上がってきた権力者などの立場を解説しながら分析。そのため、時代や話題があちこちに飛んで分かり難い。後半は側近とした人物たちの説明などなで、読みたいものと違った。2024/11/02
はちめ
9
どうも側近という言葉のニュアンスが違うように思う。本書では不思議なことにあまり取り上げられないが、中臣鎌足は天智天皇個人の家産の仕事もしたかもしれないが、内臣というのは無任所の大臣のような立場で国家全般について天智天皇を輔弼したのが主な仕事だろう。これを側近というのはあまりに軽い。あとがきに著者自身も触れているが、全体的に生煮え感がある。まあ、古代の側近的な人たちのエピソード集と捉えれば面白くはある。☆☆☆★2020/09/03
星乃
2
側にいて何か有効な知恵を授けてくれるような家来を側近と呼ぶのだろうと漠然と考えていたが、奈良時代においては天皇の家産を管理する者が側近であると筆者は定義。要は天皇の財布を預かる者。光明皇后の母・県犬養美千代を供養する際、天皇家が資金を出したことから、外戚である藤原氏が天皇家産を管理する流れになった出来事が背景にある。天皇の個人的な人間関係で回っていた側近も律令が整ってくると次第に公務員の一員として国の枠組みに吸収され、天皇の財布と国の財布も統合されていく。2023/06/06
あまたあるほし
2
高麗福臣が気になる。渡来人。2017/07/17
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