列島を翔ける平安武士 - 九州・京都・東国

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列島を翔ける平安武士 - 九州・京都・東国

  • 著者名:野口実
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 吉川弘文館(2022/03発売)
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  • ISBN:9784642058469

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内容説明

中世武士は地方の所領に根を下ろすイメージが強いが、実際には北は陸奥から南は薩摩まで列島間を移動していた。京都や東国と関わりを持ちつつ、九州で活動した中世成立期の有力武士団を取り上げて実態を検証。在京活動のなかで各地から出仕してきた傍(ほう)輩(ばい)とのネットワークを築き、様々な情報を得て果敢に活動の空間を広げた武士たちの姿に迫る。

目次

武士は移動する―プロローグ/京都下りの飽くなき収奪者 藤原保昌(冷酷非道な日向守/「兵家」黒麻呂流藤原氏/中央権門と大宰府)/大宰府の武者 平為賢と平季基(東国から鎮西へ/刀伊の入寇/南九州に進出する府官たち/もうひとつの長元の乱)/南島交易と摂関家の爪牙 阿多忠景と源為朝(肥前と薩摩/河内源氏の九州進出/島津庄の発展/平家政権と南九州)/九州に進出する幕府御家人 千葉常胤と島津忠久(源頼朝の挙兵と千葉氏/鎮西守護人千葉常胤/東海道大将軍千葉常胤/鎌倉幕府の成立と南九州/島津氏の成立)/武士の列島展開と京都(京都七条町の成立と殷賑/地域間ネットワークの広がり)/グローバリズムの時代を生きた武士たち―エピローグ/略年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ようはん

13
治承・寿永の乱における東国武士団の雄であった千葉常胤が最終的に得た所領が東北から九州と広大であったのは驚く。平安期における中央と地方の交易や文化・人材の繋がりに島津以前の薩摩の実力者で源為朝を婿とした阿多忠景やその先祖で中央から九州に土着した鎮西平氏の面々に関しても新鮮な内容であった。2020/03/20

sibasiba

11
土地に縛られた武士というのは一面的ではという本。武具を手に入れるため流通・生産が必要で在京活動が当然とか改めて言われればその通りだな。宋や南島貿易に精を出したり九州は色々面白そうだ。2017/05/31

MUNEKAZ

11
九州での事例を中心に、一つの所領に根を下ろしたように思える中世武士が、実際は京の院や摂関家、寺社とのつながりの中で、列島中を駆け回っていたことがわかる一冊。鎌倉時代初期の千葉氏の所領などを見ると、のちの戦国時代の武士と比べて「支配」という面では緩いかもしれないが、空間的な広がりはずっと大きいことに気づかされる。考えてみれば「島津」も「大友」も「少弐」もみな東国が発祥の武士団である。2017/04/04

穀雨

9
外来の武士団が在来の豪族たちを席巻していた平安時代の九州に焦点をあて、「武士は土着の存在」という従来からの考え方に見直しを迫っている。奥州から九州までの太平洋岸に広く所領を獲得した千葉氏など、当時の有力御家人が広く全国を視野に収めた経営をしていたのにはおどろかされた。タイトルからはややわかりづらいが、なかなか知る機会のない平安時代の九州がわかりやすく説かれているので、関心のある向きにはおすすめ。2022/11/01

珈琲好き

9
平安貴族が武を忘れたナヨナヨした存在ってのは眉唾だったんだなーってのと、まともな所領を持った武士が京都と繋がりを持たない田舎侍でいられるなんてことはなかったんだなと蒙を啓かれた。2017/07/02

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