琉球王国と戦国大名 - 島津侵入までの半世紀

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琉球王国と戦国大名 - 島津侵入までの半世紀

  • 著者名:黒嶋敏
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 吉川弘文館(2022/03発売)
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  • ISBN:9784642058216

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内容説明

一六〇九年、琉球王国が江戸幕藩体制の影響下におかれるようになる島津侵入事件。それは強者による単純な軍事侵攻だったのだろうか。史料を読み解き、琉球と島津氏、統一政権をまじえた、半世紀におよぶ政治的な駆け引きを追う。緊迫感あふれる外交展開を描き、「強圧化」「従属」と一面的に評価されてきた、琉球と薩摩の関係の本質を浮き彫りにする。

目次

四〇〇年の彼方へ―プロローグ/尚元と島津貴久(第二尚氏王朝/戦国大名島津氏/あや船と印判/五五年体制)/尚永と島津義久(二つの代替わり/義久へのあや船/戦国大名島津氏と印判/尚永の外交転換)/戦国大名の武威(拡大する島津領国/織田信長と義久/地域の公儀として/譲歩する尚永)/尚寧と島津義久(天下人のもとで/尚寧と天下人秀吉/打ち上げられた唐入り/義久の外交ルート)/島津侵入事件(出兵の理由/不思議な文書/出兵前夜/尚寧の出仕)/琉球と島津の半世紀―エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

85
1609年の島津軍琉球軍事侵攻へ至るまでの、主に16世紀後半の東アジア情勢を紐解く。”あや船”派遣を巡る折衝を中心に、琉球王国と戦国大名島津家の確執が語られるが、背後にある当時の超大国「明」を中心とした国際関係が知れて興味深い。根底には明の海禁策と、それを利用し、あるいは抗い、交易により利益を得ようとする動きのせめぎ合いがある。明の冊封体制に組み込まれた琉球王国は戦国から統一に向かう日本の情勢について行けず、結局、徳川幕藩体制のもと薩摩藩の強い影響下に。本書範囲外であるが、維新後の琉球処分に繋がっていく。2020/03/01

Toska

15
もともと琉球は日本と対等な「異国」であって、島津氏側もそれを認めていた。ところがパワーバランスの変化で見る間に島津氏の態度は高圧的となり、豊臣政権の一員として軍役まで要求し、遂には軍事侵攻に至る。この急激な展開には圧倒されるしかなく、当事者たる琉球王国も同じ思いだったのではないか。国境や民族が漠然とした概念でしかなかった前近代ならではの現象。島国であるが故に「日本」という枠組みは自明視されがちだが、実は全く自明ではないのだと改めて思い知らされる。2023/01/30

アメヲトコ

8
1609年の島津氏の琉球侵攻はなぜ起こったのか、そこに至るまでの半世紀を分析した一冊。薩摩と琉球の関係、島津氏内部の矛盾、九州の諸大名のパワーバランス、中央政権の思惑、東アジア世界の変動、これらが複雑に絡み合いながら連動していくダイナミズムが面白い。2016/04/23

Meistersinger

6
琉球王国-島津氏だけでなく、豊臣(徳川)、明、伊東氏など他の九州の戦国大名そして東シナ海の交易情勢と複雑に絡まり合いながら事態は進んでいく。単純な侵略・被侵略という見方だけでは理解できない。2016/08/07

MUNEKAZ

6
戦国期の琉球王国と島津家との関係を描いた本。まず驚いたのが、中継貿易国家として繁栄していたというイメージのある琉球王国が、十六世紀には倭寇や明の政策変更により交易に関わる道を失い、衰退期に入っていたということ。戦国島津家が三殿体制などの内紛に苦しみながらも、周辺勢力との外交にも手を尽くし、自らの地位と利権を確保していったのに対し、琉球王国は明の冊封国であるということに捉われて右往左往するばかりで、何も有効な手を打てなかったというのが対照的に映った。2016/02/29

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