内容説明
天皇が居住し、宮中でさまざまな公務が行われる皇居。現在のように一般参賀や参観で、国民が訪れることができるようになったのはいつ頃からか。明治の宮城拝観から占領下の勤労奉仕団、皇居移転論や遷都論、宮殿再建へ。「国民との近さ・親しみ」と「伝統・権威」の間で揺れ動く皇居の歴史を辿り、現在の皇室像がどのように形成されてきたかを考える。
目次
現在の皇居―プロローグ/戦前の皇居 開かれ、そして閉じる(東京への奠都と宮殿の造営/拡大する宮城拝観/閉じていく宮城―戦争遺家族と御府)/占領下の皇居 ナショナリズムの表象として(皇居勤労奉仕団の誕生/遷都論と宮城移転論の登場/開放される宮城・皇居/皇居再建運動の展開)/開かれはじめる皇居(二重橋事件の衝撃/皇居参観の拡大/皇居造営の予備調査)/御苑を開放し、宮殿をつくる(遷都・皇居移転論と皇居開放論の再燃/宮殿造営にむけて/その後の皇居)/イギリスとの比較―エピローグ