内容説明
平安中期、「新皇」と称して坂東の地に王城建設を夢見た平将門。敗死後の評価は叛逆者と英雄を両極とし、また荒ぶる彼の魂を鎮めるべく大手町の首塚や神田神社が築かれた。佐倉惣五郎を題材とした歌舞伎や明治期の復権運動など、将門がさまざまな伝説となり今日まで語りつがれてきたのはなぜなのか。時代と地域に育まれた将門伝説の世界へと誘う。
目次
語りつがれる将門―プロローグ/平将門の乱と『将門記』(将門の乱勃発/私闘から叛逆へ/乱の終焉とその後)/伝説の中の将門 萌芽期から中世まで(異なる将門観/『将門記』の新皇即位記事をめぐって/再び、中世江戸の将門伝説)/近世文芸の中の将門伝説(『前太平記』にみる将門伝説/山東京伝が描く将門伝説/馬琴の考証と幕末江戸の将門伝説)/叛臣将門とその復権運動 明治期の将門伝説(神田明神の祭神論争/織田完之の雪冤運動)/将門伝説が語るもの―エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメヲトコ
5
平将門はいかに受容されてきたのか。その歴史的実像の検討から、中世・近世・近代におけるイメージの変容を検討した一冊。文章は超悪文で読みづらいですが、将門という存在を軸に東日本の様々な物語世界が絡まっていくさまはとても面白い。2016/08/19
スプリント
4
時代により様々な評価をされ現代も祀られている平将門の伝説について紐解いています。同時期に反乱を起こした藤原純友との関連についても考察されています。2015/08/30
紗窓ともえ
3
天慶の乱についての資料として、参考になりました。2017/07/31
onepei
3
特に武家の間でどう受容されて伝承されたか知りたくなった。2015/09/20
鬼山とんぼ
2
私自身、実家が将門の史跡の多い印旛郡であり、通った高校が将門を鎮圧するために勧請された成田山新勝寺の経営する成田だったという屈折した立場という興味から手に取った。江戸期に判官びいきの民衆感情から神格化された一方、明治期に天皇に弓を引いたという理由で弾圧された経緯がよく理解できた。ただ文章は繰り返しが多くてくどく、内容の割りにスムーズに読めなかった。2016/05/02
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