内容説明
越後を治めた戦国大名。父長尾為景の死後、兄晴景のあとを継ぎ春日山城に入る。関東管領の上杉氏を助けるため、しばしば関東に出兵し、やがてその姓と職を譲られる。信濃進出を狙い、武田信玄と川中島で対決。能登を攻め、織田信長を撃破。関東出陣を目前に病没する。謙信発給の書状などから生涯を描き出し、領国統治の実態や信仰、人柄に迫る。
目次
はしがき/偉大なる父―長尾為景の功業(父と母、兄と姉/越後長尾氏の足跡/長尾為景の興起/戦国大名長尾為景の外交/内乱とその収束)/長尾景虎の登場(晴景から景虎へ/新政権の船出/長尾政景との戦いと和睦/関東と信濃への出陣/一度目の上洛)/出奔事件とその前後(国衆たちの争い/二度目の信濃出陣/天室光育に託した書状/出奔事件の結末/三度目の信濃出陣)/疾風怒濤―小田原攻囲と川中島(二度目の上洛/最初の越中出兵/二度目の関東出陣/小田原城攻囲と上杉改姓/川中島の激戦)/一進一退―北条・武田との綱引き(連年の越山/諸城攻略/関東と信濃/下総臼井城の敗戦)以下細目略/苦境から光明へ―越相同盟成立まで/関東と北国、二つの進路/人と領国の統轄/信仰と文事
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
15
非常に読み応えのある評伝。戦国大名の書状の分析に長けた著者と、手紙の中で自分をさらけ出す癖のある謙信とは相性がいいのだろう。その文面から浮かび上がってくる個性は、とにかく感情的で怒りっぽい。僧侶に戦勝を祈祷させたのに効き目がないと「寝ないで祈れ」という無茶振りも。一方で相手への細やかな気遣いができ、情義と道理で人を説得しようとする。逆境でも「世上このままにてはあるまじく候」という楽観性は見習いたいところだ。字が上手く、思考を書の形でまとめ上げる明晰な頭脳の持ち主。一代の英傑であったことは間違いない。2026/02/11
Book Lover Mr.Garakuta
13
図書館本:上杉謙信の実像に迫った本。当時の歴史の史料を振り返り、当時を想起する。2021/02/27
MUNEKAZ
12
上杉謙信の評伝。創作物だとよくも悪くも浮世離れした人物に描かれがちな謙信を、自筆の書状類を多く引用することで、等身大に表そうとしている。明晰な思考を備えながらも、感情が高ぶると「馬鹿者」という表現が飛び出したりする辺りがなんとも印象的。「カリスマ」「軍神」というよりは、雑多な集団を束ね上げた人間味あふれるリーダーとして捉えられる。また短い記載だが、謙信が妻帯していた可能性に触れているのも興味深い。色々と認識が改まった一冊。2020/09/06
デンジャラスゾンビ
9
上杉謙信はずっと多方面作戦やってるからわからんのよ2022/09/23
フランソワーズ
5
上杉謙信の現時点での、最新の歴史一般書・評伝としてはとても良くまとまっていると思います。49年の生涯の多くを数多の戦陣に身を置いた謙信。その都度の肉声を追うように書状が紹介されているのも、上杉謙信という一人の戦国武将の実像をより深く理解できるのに役立っています。また謙信を支えた家臣たちとその変遷の項目も、簡素ながらも便利。2020/09/06
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