近衛文麿

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近衛文麿

  • 著者名:古川隆久
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  • 吉川弘文館(2022/03発売)
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  • ISBN:9784642052757

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内容説明

昭和前期の政治家。摂関家嫡流の公爵家長男に生まれ、元老西園寺公望の側近や貴族院議長などをへて首相を三度務めた。「国民政府を対手とせず」声明や東亜新秩序声明を出し、国家総動員法の制定、大政翼賛会の発足、日独伊三国同盟を締結させた。太平洋戦争開戦直前まで政治の中枢にあって、戦後、戦犯指名を受けて服毒自殺に至った生涯を描く。

目次

はしがき/生い立ち(家系/父篤麿/一高・京大時代/近衛という人物)/貴族政治家として(パリ講和会議に参加/国論一致をめざして/満洲事変に直面して/首相就任を辞退)/首相となる(組閣事情/日中戦争の勃発/日中戦争長期化へ/内閣の大改造/東亜新秩序声明)/再び首相として(第二次内閣の組閣事情/第二次内閣の政策/新体制運動の展開と挫折/日米交渉)/首相退任後(東条内閣期/近衛上奏文/憲法改正に従事/戦犯指名)/おわりに/略系図/略年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

26
薄志弱行 軽佻浮薄のイメージとは違う近衛文麿を読めました。かといって一方的に肩入れしているわけではないので違う側面を素直にみれました。他の著作も読んでみたいと思いました。2023/04/10

筑紫の國造

12
戦前三度の組閣をし、戦後A級戦犯指定を受けて自殺した近衛文麿の評伝。従来の「意思が弱い」「人気取り政治家」との定説に疑問を投げかけ、意外にも近衛自身は思想的、手法的に一貫していたという事を論じている。近衛の言動を極力同時代史料に依りながら、先入観を排して見てゆくと、確かに通説に偏りがある事がわかる。かと言って近衛を評価するのではなく、彼の独善的な主張と政治手法が日本を破滅に導いたという点についても厳しく指摘している。2019/11/25

Tomozuki Kibe

5
岡義武以来の「軟弱弱腰人気先行」のポピュリスト政治家のイメージから、青年期からの挙国一致案・国家社会主義というべき思想を抱き、「大政翼賛会」に行きついた「ぶれない」近衛を描く。 雑感  戦前に633の12年義務教育を唱えていたとは。しかも皇国教育に。で、即徴兵か。素晴らしい軍事国家案。  大政翼賛会が私有財産の否定≒共産主義≒国体の変換←治安維持法に抵触てのは…。ある意味公平。共産主義封じから全体主義封じへ。 最後まで言い続けた「一撃講和論」てのは外交上だけでなく「軍の顔を立てる」内交でもあるんだろうな。2023/05/18

バルジ

4
近衛文麿への通説的な評価である「意志の弱い」「ポピュリスト」という言説へ真向から批判する挑戦的な評伝。近衛の記した記事や演説などから彼が大正期からその思想的背景は変質しておらず「一貫」した政治家であったと論じ、その政治的責任は免れないと指摘する。確かに本書における近衛の思想は一貫している。父篤麿周辺の右翼人士以来のアジア主義的言説と欧米中心の世界秩序への懐疑、正義や社会的不平等への眼差し等、後の首相就任後の諸施策へと繋がる。しかし政治的な一手は悉く誤りその政治的責任は免れ得ない。2022/11/15

wuhujiang

1
可能な限り戦後の回想より当時の記事等を優先する手法が秀逸だった。近衛についても人気取り政治家ではなく、一貫した哲学に基づき各層の自発的な協力による国論統一を目指した政治家と表現している。無論その結果取った手法が満州事変を賛美し、日中戦争を聖戦と化し、英米との分断を招いたことについては大いに批判している。感想として、上記のような近衛の一貫した思想は世間に理解されていなかったと感じる。遺書に「僕の志は知る人ぞ知る」と遺していたが、細川日記を読む限り側近だった細川すら近衛の行動を理解していないことがあったので。2024/03/24

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