内容説明
鎌倉時代とは何だったのか。中世史研究を牽引してきた著者が、京と鎌倉、2つの王権から見た鎌倉時代の通史を、前期と後期に分けて分かりやすく解説する。さらに、著者の貴重な初期の論文である「平氏軍制の諸段階」「使庁の構成と幕府」など6編を収載し、『保暦間記』『梅松論』の叙述を通じて考察する。『吾妻鏡の方法』に続く、待望の姉妹編。
目次
はじめに/Ⅰ 京・鎌倉の王権(鎌倉幕府の成立/京の王権と幕府/承久の乱/執権政治と家)/Ⅱ 鎌倉後期の社会変動(モンゴル襲来と交流する世界/列島の町の繁栄/職人群像/職能の思潮/家職の継承/鎌倉幕府の滅亡)/Ⅲ 鎌倉時代論(平氏軍制の諸段階/建暦期の後鳥羽院政―『世俗浅深秘抄』と「建暦の新制」/道家の徳政と泰時の徳政/使庁の構成と幕府―一二~一四世紀の洛中支配/絵巻の身体―『一遍聖絵』と『石山寺縁起』/王権と幕府―殺生禁断令を媒介に」)/ おわりに