内容説明
有名漫画『あたしンち』の共作者にして俳人、漫画家のオットでもある著者による、初のエッセイ本。
漫画のネタを考え、俳句を書き・読みつづけてきた日々の暮らしから抽出された、この世界の「成分」。
いくつものディテールをみつめる、愉快な日常と思索の数々――
こんな書き手が、まだいたんだ。
保坂和志さん推薦――
小さい物を見ているときも、足元にある物を見ているときも、
上田さんの心はつねに高い空やそのまた先にある天体を仰ぎ見ている。
愛や勇気や生きるモラルが、この本を貫いている。
(帯文より)
目次
泡
指
偶然
妻の友人
鳥たち
座敷犬
足りない
正規分布
栄光の記憶
似合う
立体的
背景
動けない
愛
所ジョージ
中の人
定義
フェイスブック
悪
正義とフィクション
大人
アイロニー
神話
有名人
トマトジュース
かわいそう
発泡酒
つっこみ
あふれる
命令形
国産ワイン
シズル感と美
心がある
妖精
漫画映画
油
ロネッツ
スマホ
幸福
受容器
布団を替える
ハッピーエンド
土俵
灰皿
模型
ザッピングと自然
子役
ものまね
蓼食う虫
プレゼント・菓子パン・芸術
祈る
鍵
父
ナルシシズムと江ノ島
難病
クリスマスの夢
やさしさ
解散
屋久島
出典、注、追記ほか
俳句作者一覧
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pirokichi
23
著者は俳人で、『あたしンち』の漫画家けらえいこさんの夫で共作者。本書は俳句の同人誌に連載された59のエッセイ。『成分表』というタイトルは、日々思うことをその成分に分解して考えるというつもりでつけたらしいが、ちょっと難解なものもあった。「泡」「栄光の記憶」「あふれる」「妖精」「漫画映画」「父」などがよかった。「布団を替える」では、池田澄子さんの俳句〈相談の結果今日から夏布団〉が絶対でる!と思っていたので、予想が外れ逆に笑ってしまった。装丁はデザインも色合いもすごく好き。2023/03/05
あなた
9
好きなブローティガンのことばで、「どんな本を書いてるの?」「ひとこと、ひとこと、書いているんです。それだけです」ということばがあるけれど、上田さんのこのほんも、そういうほんだとおもう。ひとこと、ひとこと、の範囲でものごとをかんがえていく。それがときどき、ひとごとになって、愛や妖精ややさしさの話になる。むかし、「すみません。答えは妖精でした」と風と風の合間で言われたことを、ふっと思い出した。これはそういうほんで、そういうほんばかりがある図書館があったらいいのになとときどき思う。風の強く吹く日限定の開館とか。2022/02/01
しょうご
8
『あたしンち」のけらえいこさんの旦那さんのエッセイということで手に取りました。2022/11/11
たく
2
☆☆☆2023/06/11
ちゅるふ
2
地元のS書店やY書店になかったので、日本橋のM書店まで行って確保。2023/01/15