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内容説明
女性の社会進出が進む中、男女ともに未婚率が上がり、性交未経験の割合も増加している。そして女性たちの性のありようも多様化している。「30歳になって処女は重かった」と語る女性会社員、DVに悩みセックスレスの既婚女性、SMに魅了される女性、ストリップに号泣する若い女性たち。利用する女性たちだけでなく、サービスを提供する店や人々への取材を通して、性に対する多種多様な欲望や風俗に通う動機を探り、女性たちが求めているもの、そして手にしたものは何だったのかを探る。
目次
まえがき 買う女たちの背景に何があるのか
第一章 処女と女性用風俗
(1)「やらみそ女子」の処女喪失──あゆみさん(三五歳)
「自己肯定感を上げたかったんです」
「女風」との出会い
ツイッターでワンナイトに挑戦
容姿でいじめられた
私は主人公にはなれない
甘えてもいいかもしれない
(2)初めての恋愛感情をセラピストに持つ──美里さん(三三歳)
男は女をジャッジする生き物
女風で、せつない恋愛感情を知る
「愛ってなんだろう」
第二章 妻として母としての人生では満たされない欲望
(1)四十路後半、子育て後に湧いてきた欲望──幸子さん(五三歳)
母としての人生が終わった日
「四十代の優しいお兄さんが行きますよ!」
「今日一日だけ僕の恋人でいてください」
口でのキスはしない……はずだった
疑似恋愛にハマる
かけがえのない仲間ができたということ
本当に心と体が落ち着くのは夫
(2)すべてが自分の自由になる時間がほしい──鈴美さん(五十代)
夫の凄まじいDVの末に
自分本位のセックスしかしない彼氏たち
女性の快楽に沿ったサービス
セラピストとの疑似恋人時間
理想の男はお金でしか手に入らない
(3)レンタル彼氏から「女風」へ──涼子さん(五十代)
「普通のオバサン」の性の冒険物語
「レンタル彼氏」を指名してみる
「完璧な彼氏」との別れ
「女風」との偶然の出会い
自分には性欲がなかったことに気づく
セラピストを応援したい
(4)カンフル剤としての女風──明日香さん(五三歳)
孤独で辛かった結婚生活
セラピストが教えてくれた未知の快楽
自分に正直になろう
第三章 女風を提供する人々の思い
(1)ある女風オーナーの思い──元専業主婦Oさんの挑戦
風俗とは無縁の平凡な生活
夫の孤独死から始まったお店
女性たちに届けたいのは、単なる男の肉体じゃない
丸裸の自分を受け止めてもらえるということ
(2)「グリーフケア」としての女風──癒し系トップセラピストCさん
コロナ禍でも売り上げを伸ばす女風「A」
女性の日常の中に一緒にいる感じ
(3)女性用風俗総合情報サイトが本当に伝えたいもの──姫豚さん(二五歳)
DV夫に気づかせてくれたのが女風だった
発散する場所はここだけじゃない
沼らないために、セラピストを使い分ける
(4)女風バーの誕生
セラピストにリアルに会える場を作りたい
女性たちの来店動機
日常生活から切り離した遊びが必要
第四章 セラピストたちの思い
(1)多種多様な女性の欲望を満たす──自分だけの「武器」を売りにするけんさん(四三歳)
イケメンでないけれど大人気
テクニックでなく愛が大切
(2)兼業セラピストのタカシさん(三〇歳)
一〇年前、〝男娼〟をやっていた
一〇年前と全く違った客層
女性たちは、タカシさんに何を求めているのか
セックスが嫌いではなくて挿入が嫌い
女性たちから学んだこと
(3)塾経営者がセラピストになったわけ──ミサキさん(三二歳)
のない世界を見たい
信頼関係が不可欠のSMプレイ
人間やめたくないですか
「 のない世界」に身を置いている女性たち
女性たちには、いつかこの世界を「卒業」してもらいたい
あとがき 現代社会を生きる彼女たちへのラブレター
【巻末対談】
「同じ世界に入る」ことの享楽 宮台真司×菅野久美子
(1)「女風」が流行している背景
女が性に乗り出せなくなったワケ
「一つのアメーバになれない」私たち
(2)女性の「寂しさ」を受けとめるセラピストという存在
「まともな男がいない」問題
「ガチ恋に向かうためのステップ」としての女風
「寂しさ」をまずは受け入れて
(3)「社会」の時空と「性愛」の時空は排他的
「愛」にリアリティを感じるには
「結びつき」を求めない男たち
(4)性愛にとって大事なアクションとは何か
「女風の選び方」とは
「受動」と「能動」を超えて
目を見つめられるかどうか
感想・レビュー
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Roko
akihiko810/アカウント移行中
Nobu A
まゆまゆ
かんがく