内容説明
粘土板と楔形文字というメディアを擁したメソポタミア文明。やがて薄くて軽いパピルスと尖筆が出現し、別の性格を有する社会へと文明が展開する――。コミュニケーション・メディアの深奥部には“バイアス=傾向性”が潜んでおり、長期間使用することによって、新しい社会の特性が決定づけられ、その時代の人々の思考様式などが変化していく。技術革新の進む20世紀半ば、ダイナミックな文明史観とともに、今日的なメディア産業批判にも通じる議論を提示したメディア論の必読古典。マーシャル・マクルーハンの序文を付す。
目次
序文(マーシャル・マクルーハン)
まえがき
ミネルヴァの梟〔文明史におけるメディアの意義〕
コミュニケーションの傾向性〔メディアの特性と文明の諸形態〕
時間を弁護して〔メディアと時間概念の歴史〕
空間の問題〔メディアと空間支配の歴史〕
産業主義と文化的価値〔現代文明と機械化‐産業化されたメディア〕
一八世紀のイギリス出版業
合衆国における科学技術と世論
「批判的検討」
付録一 北米におけるコミュニケーションと電磁波資源についてのノート
付録二 成人教育と大学
訳註
訳者あとがき
文庫版訳者あとがき
文庫版解説 現代メディアへの予言の書 水越 伸
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Ex libris 毒餃子
9
メディアの形態によって、過去においては国家の支配体制が決まってくる。特に口承から書き言葉への移行は統治に多大な影響をもたらしている。マクルーハンの前哨という評価であるが、この本だけでもインパクトは強い。2021/11/27
中村
2
読むのにひと苦労したけどなんとか読み通せてよかった! コミュニケーション・メディアの傾向性(bias)や循環モデルはもちろん、後半の「批判的検討」や「成人の大学教育」などで大学制度への批判もキレキレで楽しかった。文量も控えめだったので、どちらかというと後半のほうが楽しめたかもしれない!2023/03/05
Go Extreme
2
序文(マーシャル・マクルーハン) ミネルヴァの梟〔文明史におけるメディアの意義〕 コミュニケーションの傾向性〔メディアの特性と文明の諸形態〕 時間を弁護して〔メディアと時間概念の歴史〕 空間の問題〔メディアと空間支配の歴史〕 産業主義と文化的価値〔現代文明と機械化-産業化されたメディア〕 一八世紀のイギリス出版業 合衆国における科学技術と世論 「批判的検討」 2022/01/22
かとたか
1
私にとっては難解。というのも、非常に大きな文明の枠組みでメディアを捉えているので、世界史の知識がないと読みにくい。メディア論の大祖の著として読んでみたが、理解するには再読必須。2022/05/18
何十日
0
p183『空間の問題』の途中まで読んで投げることにした。前半四編の感想としては、受検の世界史選択の副読本として読んだら楽しいかな、という感じ。 少なくとも古代バビロニアの粘土板が神官勢力と結合したもののように語られているのには違和感がある。もちろんイニスも文中で会計文書の多さなどにも触れているが、粘土板の重さといった物理的性質のみから時間的メディアに位置づけ、バビロニア社会を論じる論調は果たして適切だろうか、というように、分析全体に結論ありきの導線が見えなくもない。 大胆な議論で適当に読むなら面白いかも。2025/11/30




