内容説明
合気の達人が極めた武術の神髄。
不世出の剣豪小説家、渾身の遺作。
初文庫化!
剣豪小説の第一人者が武術の深淵に挑んだ遺作!
「合気心に至れば、我無く、人無く、生も無く、死もまた無し」――大東流合気武術の達人、佐川幸義。わずかに触れただけで相手の体が吹っ飛ぶ魔法のような技を目の当たりにし、剣道有段者の著者はその技の深淵を探るため門人となったが…天才武術家の謎の生涯をたどり、弟子たちが見た師の素顔を通して、知られざる神業の真髄に迫った、渾身の遺作。
目次
第一章 ちいさな閃き
第二章 疾風の打ちこみ
第三章 ふしぎな機縁
第四章 師弟のつながり
第五章 言葉のない会話
第六章 理と気
第七章 佐川合気活法の神髄
第八章 武田惣角先生の足跡
第九章 先生の息子さん
第十章 秘密の世界
作品解説:末國善己
作家解説:菊池 仁
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryuya Matsumoto
6
信じられないような技の世界。でも本当にこんな世界があるんだろうなと思います。こんな達人になれることはないだろうけれど、少しでもこの世界を垣間見れるように稽古を続けていきたい。2022/04/17
茶幸才斎
4
平成10年に95歳で歿した大東流合気柔術の至高の達人、佐川幸義氏。触れた相手は一瞬の後に床に叩き付けられ、または数メートル先に吹っ飛ぶ。佐川氏の異次元の技と強さを、そして人柄を、門人らの証言や日記を基に綴った本。氏は自らの技を、努力で到達できる技術的なもの、だから他人に知られぬよう極力教えない、でもいくら教えても不思議と誰も出来ないんだよな、と云う。卑近な喩えだが、それは手品みたいなものか。タネはあるが、視覚か神経系か肉体かを鍛錬しないと仕込めない、謂わば人体のプルッツフォン・ポイントを操る技ではないか。2022/06/10