内容説明
数々の名曲誕生の舞台裏、名作曲家の父との思い出、そして、惑い、もがき、悦びに満ちた音楽との日々。
NHKの人気教育番組『クインテット』でおなじみ“アキラさん”が、音楽との二人三脚の半生を綴った初エッセイ集!
東京ディズニーランドのショウ『ワン・マンズ・ドリーム』、NHKの連続テレビ小説『ひよっこ』、蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』など、作曲家・舞台音楽家として数々の名曲・名音楽を生み出してきた宮川彬良。昭和・平成・令和の音楽シーンにおける貴重なエピソードを交えて半生を紐解きながら、「宮川彬良の音楽とは?」「そもそも音楽とは何か?」といった自身の音楽のルーツにも向き合った初めての著書。
『宇宙戦艦ヤマト』をはじめ昭和の名曲たちを手がけた父・宮川泰との思い出と、偉大であるがゆえに立ちはだかる父の壁、進路に迷った浪人時代と大学生活、43歳にして巡り会った大ヒット曲《マツケンサンバII》、工夫とこだわりが込められた人気教育番組『クインテット』制作の裏側など、“アキラさん”の愛称で幅広く親しまれるまでに至る音楽との日々の中にあった光と影を、貴重な秘蔵写真とともに赤裸々に語り尽くす。保存版の“宮川彬良音楽史”。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
陽子
42
先日、アキラさん(宮川彬良)のコンサートでこの本を手に入れた。NHKの「ゆうがたクインテット」のアキラさんは、一言も話さない無口なピアニストだったが、コンサートのアキラさんは大変話上手でとてもユーモアに溢れた方だった。そして、遊びゴコロ満載の楽しい音楽がどこから生まれてくるようになったのか、その半生をたどったルーツを読みながら、益々「音楽って素敵だな」と感じた。父の宮川泰氏との思い出(音楽葬含めて)や、やりとり、少年時代の音楽エピソード、様々な作曲にまつわる関係者とのやりとりなど、楽しく一気読みだった。2023/04/02
Yodo
12
親子2代で音楽の才能があり成功した稀な例。親の仕事を引き継ぐ事に成功し且つ自身の作品も評価されている。親が成功者だからといって物が溢れ過ぎていない環境も良かったのだろう。子供が楽器を工夫して弾いたり作ったりする隙間もあった。楽器を部買い与えていていたら、つまらない作品を作る人になっていたかもしれない。本の終わりに『星の王子さま』の解釈が書かれている。そこを読むだけもこの本を読む価値がある。その解釈がサン=テグジュペリ的に正しいものでは無さそうなのだが、これ以上の解釈は無いと考えられる内容だった。2024/12/15
spatz
11
私にとってアキラさんは夕方のクインテット。そこにいつもピアノの前にいて独特のカッコと髪型をしていて、愉快な仲間たちといろんな話をしながら音楽を奏でていた。それがアキラさんのイメージ。そんなアキラさんの自伝的エッセイ(?)宮川泰 さん、という、宇宙戦艦ヤマトなどの大ヒットをいくつも持つ作曲家の父上とのたくさんのエピソード。マツケンサンバもこの人だったんだっけ!彼の関わった様々の楽曲にまつわる、裏話や、タイトルのように音を楽しんできた半生の記。#NetGalleyJP2022/04/18
めとろん
8
以前Eテレでやっていた『ゆうがたクインテット』。パペット達の中に、おかっぱの髪でちょっと金髪、唯一の人間が混じってました。それが私の初対面。 そのアキラさんこと宮川彬良さん自伝エッセイなら面白そうと手に取りました。お父さんの泰(ひろし)さんはヤマトの曲を作ってるし、ご本人の彬良さんもマツケンサンバIIを作ってるし。楽しそうな曲が流れてるような一冊。 クインテットの『かんがえちゅう』と『おんぷのうた』とか大好きでした!2022/10/01
みさと
6
「クインテット」などでおなじみの音楽家宮川彬良の自伝・エッセイ。作曲家であり編曲家、台本に音楽を付け、稽古場に音楽を届け、役者やダンサーのために演奏し、指揮をし、現場のみんなを笑顔にし、舞台や番組を観る人たちを笑顔にする人。自分のための音楽ではなく常に誰かのためにある音楽を作る、そんな魅力的なアキラさんが出会ってきた素晴らしい音楽家や舞台の仕掛け人たちとの思い出。偉大な父宮川泰から学んだことや乗り越えられない壁。音楽は命だと断言する生き方の原点となった悲しい出来事。人間宮川彬良の声が聞こえるようだ。2023/07/04