内容説明
月刊「文藝春秋」2021年1月号から5月号にかけて短期集中連載された「司馬遼太郎『坂の上の雲』大講義」に、新たに書き下ろしたコラム、人物事典、関連年表、詳細な脚注などを追加。昭和の「国民文学」と呼ばれた司馬氏の代表作を、令和の読者も楽しめるように完全読解した決定版。筆者の佐藤優氏と片山杜秀氏は、現代きっての読書人。歴史への洞察も深い。この両者が丁々発止、司馬作品に切り込んでいく。平成以来、沈滞を続ける日本社会に、もう一度、明治の清新な風を吹き込む1冊です。これから『坂の上の雲』を読もうという読者はもちろん、何度も読んだという読者にも、新鮮な作りになっています。本書を読んだ後、書棚からもう一度、『坂の上の雲』を取り出してみてはどうでしょうか。明治が、昭和が、そして近代日本の姿が甦ってくることでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
38
手練れのファンには物足りない方も居られるようだが私には充分面白かった。年表や写真付きの登場人物リストも便利。本編は5巻まで読んだところなので暫く副読本として使っていくことにする。2025/03/29
kawa
37
努力すれば報われる時代、明るい明日を描く青雲国民小説「坂の上の雲」を、泰斗二人が語り合う。乃木大将の評価は、司馬作品によって結果としてかなり不当に振れてしまっている由、司馬史観の検証という意味でもありがたい作品。日露戦から太平洋戦までの日本の指導者層の劣化に対する評価も今一度立ち止まって考える必要ありか?片山氏の「未完のファシズム」も早速図書リクエスト。詳細な年表と人物事典付きで、小説読みの座右の書としても最適。(2022年刊)2022/09/13
サトシ@朝練ファイト
30
そう言えば「坂の上の雲」の意味が分からず悶々としてた時期がああったかな。何年振りかで司馬作品に出会えた気がしました。2022/08/18
koji
19
「坂の上の雲」から読み取れることは無数にあります。本書を読むと、①インテリジェンス、②朝鮮半島を巡る日韓関係の視点がよく分かりました。まず①。司馬さんは明石元二郎にかなりの紙数を費やしていますが、佐藤さんによれば明石の記録は少なくよく分からない所が多く、この箇所は、忍者者好きの司馬さんのアートな構成という解釈も一理ありです。次に②。佐藤さんによれば、司馬さんは本書で韓国・朝鮮を自分が思うことを比較的素直に書き、無理に全体的な整合性を取ろうとしない(翻訳しない)と言っています。これは深い洞察で脱帽しました2024/05/09
元よしだ
10
読了~~ 正岡子規の【写生】が気になりました。2022/06/13
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