内容説明
京都で60年暮らす著者が送る、京都流コミュニケーションの入門書
はんなりしたイメージとは裏腹に、柔らかい言葉に強烈な皮肉を込めて話す「京」の人々。
そこには本能とも言うべき判断基準があり、優雅に、柔らかく、遠回しな言い方を選んで話している。
だから、言われたことをその通りに受け取ると、痛い目にあうことも多い。
そんな独特のコミュニケーションを60年以上観察し、また自ら辛酸を嘗めてもきた著者が「京都暮らしはじめてさん」のために、贈る京都流コミュニケーションの入門書。
これを読めば、旅行も生活も安心!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
99
様々な状況で使われる京ことばの紹介と、その言葉が、京都人にとってどんな意味で使われているのかを解説した本。京ことばについては全く知識もなく、聞いたことでもないということはないのだが、全然違う地域に住んでいた人達には、なんとも不思議な言葉だろう。外国人に直接、あるいは通訳を通した場合大変ややこしい話になる。最近は京都で住む人の入れ替わりも多いので昔ほどではないにしろ、何代も続いている人達にとっては、この京ことばというのは、京都人にとってのコミニケーションの道具の一つでもあるのかな。2025/01/05
茜
59
本書は生粋の京都人が話す京言葉の解説書で用例やその言葉の持つ真の意味を理解する為のテキストです。だが、しかし京都の言葉を京都弁とは言ってはいけないらしい。あくまでも、それは「京言葉」であり京都弁ではないのだと言う。それを「京都弁」と呼ぶと京都人は、それこそ「気ィ悪うしまっせ」となるらしい。用例があるのでどういう場面で、その言葉が使われているのかが書いてあり分かり易くて面白かった。京都に旅する事があるのなら読んでおいて損はしない一冊です。悪いことはいいまへん、読んでみておくれやすw2022/04/18
逍遥遊
5
12-3-20250228 【ベストブック候補】名古屋弁とは違うなぁ。綺麗な言葉だと感じた。大阪弁よりもいい。自分も京都ジンに生まれたかったどすえw2025/02/28
noko
5
京都の人全般ではなく、京都ジンの言う言葉なのかもしれませんが、京都の人読んだら、気を悪くしそうな内容もあった。京都ジンは人にものを頼まれるのが嫌いで、頼まれても直接的には断らないが、言い換えを駆使して、どうにか断る。京都ジンの言う事を、表面的に捉えてはいけない。「好きにしはったらよろし」=後で文句言うなよ、どうなっても知らないぞ。「長生きしはるわ」=バカは死ねとか、バカは死ななきゃわからないの意味。「ほんの寝巻きですわ」=良いもの着てるに決まってるだろ、分かって言っているのか?怒り方がなんだか怖い。2024/09/25
tsuckieno
4
「京ことば」は『複雑かつ被支配的な階層社会を生き抜く言語技術』を洗練させたものである。著者は、本書の冒頭、リップサービスひとつをとっても「その舞台が『京』となると話はまったく違ってくる」という。京民流意図明示コミュニケーション、すなわち「京ことば」は複雑かつ被支配的な階層社会を生き抜く言語技術を高度に洗練したものであり、発信者は受信者の心を誘導操作し、懐柔または韜晦をもって受信者は発信者の心を読もうとする。歴史上経験した様々な推測が想定する機能はすべて、京都ジンの言語生理的機能から発しているのである。2022/04/15