内容説明
コースタル航空416便の機長に、謎の人物から連絡が入った。コンピューターに映し出された画像に写っていたのは、四肢を縛られ、爆弾を巻き付けられた家族の姿。家族を救いたければ飛行機を墜落させろ。乗客の命か、家族の命か。機長が下した決断とは……?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
75
1970年代、【ポセイドン・アドベンチャー】から始まったパニック映画ブーム。リアルタイムでその類いの映画を数々観て育った世代の者としては、モロに心惹かれるジャンルの小説だ。何と元客室乗務員が書いたというこの本は、細かい事を言えば色々難点が目につくものの、パニック物の醍醐味、スリルとサスペンス、人間賛歌と感動を十二分に堪能させてくれた。最期まで勇敢にたたかった、機長と客室乗務員達の職業人としての立派な姿に胸が熱くなる。総合的に見れば色々な難点を打ち消してしまう力を持った、良作だと思います。2022/07/11
Panzer Leader
68
ありそうでなかなかない飛行機パニック物は金字塔のようにそびえ立つ「シャドー81」や映画「エグゼクティブ・デシジョン」の存在故か。後から考えると色々祖語はあるが読んでいる間はスリルとサスペンスに満ちた一挙読み作品。パイロットよりもある客室乗務員の方が主役っぽくてカレン・ブラック主演の映画「エアポート’75」を思い出させる。本書の宣伝にまるで映画のようなプロモーションビデオも制作されていて力が入っているなあと感じられた。2022/07/20
オーウェン
66
ニューヨーク行きの飛行機の機長であるビルの元に、妻と子供たちを拘束した映像が。 犯人の要求は飛行機を撃墜させること。 いかにも映画化されそうなシナリオであり、普通にハリウッド作品になりそうな展開。 911以降飛行機のシステムは改訂されている。 それを踏まえてテロ対策は変わっており、この交渉に気付いた乗客、そして家族を救おうと動くFBI。 とにかく展開が早いのでスラスラ読める。 だからこそスッキリする最後だが、見た後それほど印象には残りにくいかも。2022/06/08
tom
30
ハリウッド映画になったら、かなり受けると思いながら読む。主演を誰にと考えると、ハリソン・フォードやブルース・ウイルスなど、定番のメンバーが目に浮かぶ。ま、そういう物語。解説でシャドー81を取り上げているけれど、久しぶりで目にしたこの書名、面白かった、二度読みしてしまったなと思い出した。2022/07/30
しゃお
28
コースタル航空416便の機長ビルはテロリストに家族を誘拐され、家族を救うかそれとも飛行機を墜落させらるかの究極の選択を強いられます。とにかくスリリングでテンポ良く緊迫感溢れる展開で一気読み!事件の背後にあるものや、SNSなどネットが広まった、9.11後の現代だからこそ描ける冒険小説で、何より航空業界への愛と矜持が胸を打ちます。そして主人公のビルよりも客室側で危機を乗り越えようと奮闘するアテンダントのジョーの姿が印象的でしたね。それにしても凄くハリウッドな映像的過ぎるぐらい映像的で、ある意味そこが欠点?w2022/04/24