内容説明
ボルティモア郊外でコンピューターの出張修理をしながら、一人暮らす40代のマイカ。人付き合いを避け、決まった日課を堅持し平穏に過ごす彼の元を、マイカの息子だと名乗る青年が訪れ──孤独な中年男性のやり直しを、タイラー独特のユーモアを交えて描く長篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
70
アン・タイラーは取り立てて個性的な作風というわけでもない。それでも読み始めてすぐに大好きな作家であることを思い出せる良さがある。いたって平凡で、現実の人間が大体そうであるように善良で、仰々しくはないものの他者との関係性に深刻な悩みを抱えている。そんな中年男性をシンプルかつナチュラルに描いた作品だが、いつも通り優しさに満ちた作者の眼差しが、読み手の心をほんのりと温かくしてくれる。極めて読みやすい文章なのに名人芸のようなテクニックも感じさせる逸品。意識していないだけで自分にとって今一番必要な作家かもしれない。2022/03/16
天の川
68
独り者でマイペース、仕事は誠実、ルーティンを崩さない中年男。常識的な人だけれど、人との関わりが淡白というか、去るものは追わずというか。突然現れた少年を追い返しもせず、何となく受け容れながら常識的な対処をするのは、そんな彼だから。少年をきっかけに崩れていく日常…いつものように受け流しつつも、変わってゆく彼の心の在りようが何とも良い。ラスト、何だかジンとしてしまった。頑張ったね~、マイカ。2022/06/08
pohcho
68
43歳独り暮らし、ITの便利屋をしているマイカ。朝はランニングに始まり、シャワー、朝食、片付けと彼の日常は決まり切った繰り返しでできている。つきあってる彼女はいるけど結婚する気はなし。変わらない日々がずっと続いていくのかと思いきや、ある日自分の息子だという青年が現れ(勘違いなのだが)彼女にもフラてしまう。ペースを崩されてしまったマイカはまわりまわって最後に一歩踏み出すことになり、その場面がなんとも言えず素晴らしかった。「いつもの赤毛」の正体も可笑しい。とてもユーモラスで味わい深い作品。2022/04/26
minami
61
アン・タイラーの作品は大好き。久しぶりに読んで、やっぱり期待どおりで嬉しかった。43歳のマイカ。彼はボルティモアでコンピューター関係の便利屋。付き合っている彼女あり。彼は毎日のスケジュール(ランニングや掃除)を分単位できっちりとこなす。几帳面で偏屈なのかと思うけれど、近所の老人に対しての思いやりとか、便利屋として顧客とのコミュニケーションも意外に無理なくこなす。それでもやっぱり一人が好き。そんな日々を過ごすマイカにある青年がやって来てから、少しずつ変化していく様子がとても良かった。自分を変える勇気も大切。2022/05/26
たま
59
軽妙なタッチで書かれた水彩画のような小説。マイカがついスパイダーソリテアをやってしまうところ、私も同じなので嬉しくなる。修理に訪れた小学校で教師をデートに誘うあたり、日本人から見ると積極的なマイカだが、GFと長続きしない。それが昔のGFの息子に父親と間違われ、現在の恋人と諍い、家族パーティでいろいろ言われ… 手練れの筆致で心境の色合いが変わっていく。 一番の理由は道ばたの〈赤毛〉なのかも知れない。女性なら20代、30代悩み迷いまくっているところ。男性は違うんだなあ、なんか気楽に思えて少し羨ましい。2022/06/11
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