内容説明
なぜ気候科学はねじ曲げられて伝えられるのか?
■私がこの本を書いたのは、気候科学やエネルギーに関する重要な情報が歪められているからだ。純然たるデータや科学文献の記述が、政府による評価報告書、マスコミを経由して、一般市民や意思決定者へ伝えられる過程でねじ曲げられてしまう。私が望んだとおり、専門家でない読者の方々は、(米国での出版後)本書の内容が公正でわかりやすいと評価してくれた。他方、予想したとおり、一部の気候科学者は本書を批判し、私の動機や資質に疑問を投げかけた。だが、内容面の大きな誤りを見つけることはできなかった。
(「日本語版発行に寄せて」より)
■私は科学者として、科学界の実に多くの個人や組織が、情報提供ではなく説得のために気候科学を誤って伝えていることに失望している。しかし、あなたも一市民として気をつけなければならない。民主主義社会では、有権者が最終的に気候変化への対応方法を決定する。科学が言っていること(と言っていないこと)を十分知らずに下される決定、悪くするとウソの情報に基づいて下される決定が、よい結果につながることはまずない。新型コロナウイルスでもそのことをつくづく思い知らされた。気候やエネルギーでもそれは同じことだ。(第10章「誰がなぜ科学を壊したのか」より)
目次
『気候変動の真実』の主な内容
パート1 サイエンス
第1章 温暖化についてわかっていること
第2章 人間による微々たる影響
第3章 排出量をめぐる説明と推定
第4章 乱立するモデル
第5章 気温上昇の誇大アピール
第6章 嵐の恐怖
第7章 異常降水─洪水から山火事まで
第8章 海面上昇の不安
第9章 来ない終末
第10章 誰がなぜ科学を壊したのか
第11章 壊れた科学の修復
パート2 レスポンス
第12章 カーボンフリーという幻想
第13章 米国は幻想を実現できるか?
第14章 プランB
解説 米国を代表する科学者による覚悟のうえのメッセージを真摯に受け取ってほしい
杉山大志(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
感想・レビュー
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