内容説明
シチリア王国を神聖ローマ帝国に併合しようとして教皇と対立した、中世の頂点と凋落を具現する皇帝フリードリヒ2世の生涯をたどる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
17
「世界の驚異」フリードリヒ2世の評伝。著者の専門は近代イタリア史なので、専門的な論考があるわけではないが、王の生涯を上手にまとめている。シチリア王国と神聖ローマ帝国の統一という野望のため、終わりなき闘争に明け暮れるフリードリヒの姿が印象的。ローマ教皇との戦いに全てをささげた生涯であったが、結局彼の手に入れたモノは後継に遺せず、シチリア王位はアンジュ―家に搔っ攫われてしまう。なんとも諸行無常が溢れる読後感。またブルクハルトの「最初の近代人」評価やナチス高官から好かれたなど、後世のイメージの変遷も気になった。2022/09/07
まえぞう
17
フリードリヒ2世は、ヨーロッパ中世で最も気になる人物の一人です。この本は、歴史物語として書かれた塩野七生さんのものとは異なって、学術的な著作を取りまとめたものだそうで、確かに、教科書的です。それにしても、ヨーロッパ中世の歴史を読むと、ローマ教皇との関わりがいろんなところにでてきて、本当にややこしいなぁと思います。2022/04/27
ジュンジュン
10
「玉座についた最初の近代人」(ブルクハルト)、「申し分ない無神論者にして教会の敵となる人物」(ニーチェ)、「世界の驚異」(年代記)など時代を先取りした人物として描かれてきたフリードリヒ二世。近代イタリア史リソルジメントが専門の著者による評伝は、虚飾を排し、あくまで中世の価値観の中を生きた人物として描く。その姿は、封建領主のコントロールと、教皇との協調に苦慮し、東奔西走する皇帝の姿。惜しむらくは、上記のようなフリードリヒ像の形成過程も知れたら、なおよかった。2022/04/10
やま
3
フリードリヒ2世の生涯を虚飾や伝説を排し描き出した本。文化面への影響は確かに大きかったが、政治的にはほとんど何も残せなかったのは物悲しい。2022/05/07
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