内容説明
シチリア王国を神聖ローマ帝国に併合しようとして教皇と対立した、中世の頂点と凋落を具現する皇帝フリードリヒ2世の生涯をたどる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
スイ
18
NHK BSの「世界熱中ひとり旅」で、教皇に破門されながらもイスラムとの講和で奇跡的な平和を実現した、と聞いて興味を持った。 世界史で学んだのかもだけど…残念ながら覚えていない。 そんな私でも分かりやすく、丁寧にフリードリヒ2世の生涯が描かれていた。 しかしこちらを読んだ限りだと、ちょっとBSの取り上げ方は美化しすぎでは…? 破門は教皇との領地や権力を巡っての理由の方が強そうだし、講和には自己の利益も絡むようだし、他でがんがん戦争してるし…。 気持ちが盛り上がる「物語」には惹き込まれてしまうけれど、2025/12/13
まえぞう
18
フリードリヒ2世は、ヨーロッパ中世で最も気になる人物の一人です。この本は、歴史物語として書かれた塩野七生さんのものとは異なって、学術的な著作を取りまとめたものだそうで、確かに、教科書的です。それにしても、ヨーロッパ中世の歴史を読むと、ローマ教皇との関わりがいろんなところにでてきて、本当にややこしいなぁと思います。2022/04/27
MUNEKAZ
17
「世界の驚異」フリードリヒ2世の評伝。著者の専門は近代イタリア史なので、専門的な論考があるわけではないが、王の生涯を上手にまとめている。シチリア王国と神聖ローマ帝国の統一という野望のため、終わりなき闘争に明け暮れるフリードリヒの姿が印象的。ローマ教皇との戦いに全てをささげた生涯であったが、結局彼の手に入れたモノは後継に遺せず、シチリア王位はアンジュ―家に搔っ攫われてしまう。なんとも諸行無常が溢れる読後感。またブルクハルトの「最初の近代人」評価やナチス高官から好かれたなど、後世のイメージの変遷も気になった。2022/09/07
ジュンジュン
10
「玉座についた最初の近代人」(ブルクハルト)、「申し分ない無神論者にして教会の敵となる人物」(ニーチェ)、「世界の驚異」(年代記)など時代を先取りした人物として描かれてきたフリードリヒ二世。近代イタリア史リソルジメントが専門の著者による評伝は、虚飾を排し、あくまで中世の価値観の中を生きた人物として描く。その姿は、封建領主のコントロールと、教皇との協調に苦慮し、東奔西走する皇帝の姿。惜しむらくは、上記のようなフリードリヒ像の形成過程も知れたら、なおよかった。2022/04/10
やま
3
フリードリヒ2世の生涯を虚飾や伝説を排し描き出した本。文化面への影響は確かに大きかったが、政治的にはほとんど何も残せなかったのは物悲しい。2022/05/07
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