新☆ハヤカワ・SF・シリーズ<br> 流浪蒼穹

個数:1
紙書籍版価格
¥3,190
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
流浪蒼穹

  • 著者名:鮏景芳【著】/及川茜【訳】/大久保洋子【訳】
  • 価格 ¥3,190(本体¥2,900)
  • 早川書房(2022/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 870pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784153350564

ファイル: /

内容説明

地球とコロニーである火星のあいだで戦争が起き、終結した。友好のため、火星の少年少女は使節として地球に送られるが、かれらは地球と火星のどちらにもアイデンティティを見いだせず……。「折りたたみ北京」でヒューゴー賞を受賞した著者の美しきSFドラマ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

114
植民地だった国と旧宗主国が独立後も結びつきを保つのは普通だが、宇宙空間で隔てられ政治体制も正反対になった地球と火星では関係も単純ではない。双方の良い部分も悪い部分も知った若き留学生ロレインは、火星へ戻っても何が正しいかわからず苦悩する。そこで対地球関係に絡み総督である祖父ら権力層で政治抗争が発生し、留学生仲間や火星の友人も否応なく巻き込まれる。従来のSFなら戦争や衝突に発展するところを、最後に自分の頭で理性と善意による判断を下す政治とロレインの成長を描き、人への信頼を表明する物語として深い感銘を残すのだ。2022/06/05

チャーリブ

44
二段組で650余ページはさすがに長かった。物語の舞台は、地球から独立した22世紀の火星植民都市。独立戦争の後、友好使節として地球に派遣された若い留学生たちが5年後火星に戻ってくるところから物語が始まる。提督の娘・ロレインも留学生の一人で、主に彼女の目を通して商業主義の地球とテクノクラシーの火星という、2つの異なる体制の間で葛藤する若者たちの姿が描かれている。SF小説というよりも青春小説の範疇かもしれない。革命や戦争、権力闘争といった血なまぐさいものがかなり美化されているのは仕方ないかも。○2022/07/31

宇宙猫

27
★★★★ 激しい猫のかまって攻撃のため3日もかかってしまったが、面白かった。社会主義と資本主義。権威と若者。様々な物事の狭間で揺れる若者をメインに、周りの大人の思いや過去の事件を絡めて社会の在り方を問いかけている。引用が多いのと文章が少し読みにくいのが大変だったけど、色々と考えさせられる内容だった。火星の様子が魅力的に描かれていて楽しく読めた。D2022/06/05

かもめ通信

25
これはよかった!すごくよかった!!青春小説として読むことや、宇宙開発を絡めたSFとして読むことはもちろん、現代社会に置き換えて、中国と欧米諸国、あるいはロシアと……となどと、想像を巡らしながら社会派小説として読むことも可能だが、どう読んでもこれは傑作。読了まで思いの外時間がかかったが、じっくり読んだ甲斐があった。郝景芳、この先も目がはなせない作家だ。2022/05/16

もち

21
「こんなふうにしたくはなかった」◆火星と地球の戦争から、40年が経った。地球への留学から帰還した火星生まれのロレインは、どちらの思想にも馴染めずにいた。きな臭くなる対地球政策。山か川かの大規模投票。思惑渦巻く火星で、少女が辿り着く居場所は。■火星の高度なガラス都市での群像劇。舞台は実にSFらしいが、思想・社会・住居・抑圧・革命といった普遍的なトピックが容赦なく掘り下げられる。切れ味鋭い含蓄も、得られる感動も、限りなく純文学のそれに近い。2022/03/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19297550
  • ご注意事項