岩波科学ライブラリー<br> 科学者の社会的責任

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岩波科学ライブラリー
科学者の社会的責任

  • 著者名:藤垣裕子
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 岩波書店(2022/03発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000296793

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内容説明

驚異的な発展と社会的浸透.科学が社会に及ぼす影響はいまや誰にも正確にはわからない.そのなかで科学者は誰に対してどんな責任を負い,そしてそれをどのような形で果たすべきか.日本における過去の責任論や事例を検討し,EUの巨大研究プログラムにおける新たな取組み(RRI)を参考に,今後の「責任ある研究」のあり方を示す.

目次

はじめに┴1 社会的存在としての科学者┴科学者集団が社会に果たす責任┴2 責任の三つの相┴第1相 責任ある研究の実施┴第2相 製造物責任┴第3相 応答責任┴三つの相のせめぎあい┴3 科学の原罪論と役割責任 日本における科学者の社会的責任論┴役割責任と一般的道徳責任┴行動する・自省する・助言する┴戦後七〇年と科学者の社会的責任論┴4 不確実性下の責任┴予防原則と責任┴予見可能性と意図┴ユニークボイス(シングルボイス)をめぐって┴5 科学の倫理的・法的・社会的側面┴科学の倫理的・法的・社会的側面と市民参加┴RRI概念の萌芽┴ホライズン2020のなかのRRI┴6 責任ある研究とイノベーション┴RRIの具体例┴RRIへの批判┴RRIの可能性┴壁を再編する力┴システムを変える┴7 これからの時代の責任┴公共空間論┴リベラルアーツとシティズンシップ┴これからの時代の責任┴あとがき┴注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

52
科学者の発する言葉が、社会を動かすことが増えてきたのかと思う。それに頼ろうとする風潮の変化があるからだとも思う。但し、そこでの姿勢が大切であるとともに、大きな課題があるのが、今のこの国の状況かもしれない。科学は絶えず変化していくものである。このことを頭に置いておけるか否かが大切。最後のほうに述べられているリベラルアーツとシティズンシップ。ここに立脚すること。2025/05/15

takao

3
ふむ2021/08/17

ディス

2
◯。短い本だが注釈とかも細かく読んでいかないと難しい印象。とはい論点は興味深くて、著者の言うところのシティズンシップを持たねばならないということ、科学は常に進行していて、専門家の間でも意見が割れるのが基本であること⋯辺りは、見逃しがちだがそれはそうよねという感覚。災害時の避難するしないの微妙なラインの時にどうするか⋯みたいな話を考えた。最後は私が判断せねばならないし、揺れがあるのは仕方ない。2025/04/30

Go Extreme

2
三つの相分類 内部規律たる責任ある研究実施 研究不正超えた組織機関責任 科学技術の社会的製造物責任 市民の問いに応答する責任 固い科学観と現実科学のギャップ 不確実性下の先制的予防原則 朝永振一郎の科学の原罪論 ELSIによる倫理・法・社会側面考察 責任ある研究イノベーション 市民社会アクター協働のRRIプロセス 日本責任論と欧州RRIの対比 公共空間支えるリベラルアーツ教育 あたりまえ疑うラッセル教育論 制度設計力・視点転換力育む教育 専門家丸投げ排すシティズンシップ 状況解明と選択肢提示のSTS役割2025/04/29

brzbb

2
科学技術と社会の関係について、原発事故もパンデミックもそうだけどなによりAI技術をどのように受け入れるのか(あるいは受け入れないのか)がまさに現在進行形の問題としてある。研究不正をしないなどの研究倫理とは別に、科学者が社会に対してどういうかたちで責任を果たすかというのは、社会のありかたや市民の成熟度によっても変わってくるというのはなるほどと思った。専門家と素人である市民が直接専門的な議論するのは不可能だけど、社会におけるステークホルダーとして市民の参加は絶対に必要なわけで。2024/04/12

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