岩波ジュニア新書<br> 進化とはなんだろうか

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岩波ジュニア新書
進化とはなんだろうか

  • 著者名:長谷川眞理子
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2022/03発売)
  • 初夏を満喫!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン (~5/18)
  • ポイント 225pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005003235

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内容説明

私たちの住む地球には,なぜこんなにも多種多様な生き物がいるのか? それらはどういうプロセスを経て今日のような形になったのか? 適応化,遺伝子の組み替えの謎,淘汰のメカニズムや,オス・メスの性差の意味,配偶をめぐる競争などについて,豊富な具体例とエピソードを紹介しつつ,「進化」のメカニズムの謎を解く.

目次

はじめに┴第1章 生物の多様性と適応┴種の多様性┴生活史・サイズその他における多様性┴うまくできたデザインや行動┴第2章 生命の長い鎖 つながっていく存在としての生物┴進化ということ┴生き物の定義┴遺伝子のもと DNA┴DNAの複製┴タンパク質の合成┴親から子へ┴ゲノムと遺伝子┴個体変異と進化┴化石が語るもの┴地球上のすべての生命のもと┴第3章 自然淘汰と適応┴適応が生じる仕組み┴個体変異┴個体群の増加┴資源をめぐる競争┴適応度┴自然淘汰の働き┴フィンチの嘴┴嘴の厚さの変異と遺伝┴誰が生き残ったか?┴アノールトカゲの足┴自然淘汰に目的はない┴進化は進歩ではない┴適応は万能ではない┴第4章 変異の性質と淘汰の種類┴変異の源泉┴点突然変異┴大規模な突然変異┴遺伝子の重複┴突然変異率┴有害か有利か┴組み替え┴淘汰の種類 安定化淘汰・方向性淘汰・分断淘汰┴中立な変異┴分子進化の中立説┴中立な変化の速度┴ヘモグロビンの鎖と鎖┴形態の変化と適応┴第5章 新しい種の誕生┴種とは何か?┴新しい種の出現┴種内変異とクライン┴輪状種┴異所的種分化┴同所的種分化┴種分化の速度┴南極海に住むコオリウオの仲間の進化┴種の多様性┴第6章 進化的軍拡競争と共進化┴アリとチョウの幼虫┴食う・食われる・食われないの軍拡競争┴花と動物┴果実と動物┴カッコウの托卵┴第7章 最適化の理論┴最適採食戦略┴餌場の防衛┴最適一腹卵数┴第8章 頻度依存による自然淘汰┴闘争とゲーム理論┴タカ‐ハトゲーム┴進化的に安定な戦略┴タカ‐ハト‐ブルジョワゲーム┴タンガニーカ湖の魚の曲がった口┴雄と雌の数 性比┴フィッシャーの性比の理論┴近親交配する昆虫の性比┴第9章 雄と雌はなぜ違う?┴有性生殖と無性生殖┴雄と雌┴性の起源の謎┴有性生殖の二倍のコスト┴赤の女王仮説┴性淘汰の理論 性差はなぜあるのか?┴ダーウィンの性淘汰の考え┴繁殖の速度と性比┴配偶者獲得をめぐる同性間の競争┴配偶者の選り好み┴第10章 進化の考えがたどった道┴博物学の伝統と新世界の発見┴リンネによる分類┴ペイリーのデザイン論┴進化の考え┴ダーウィン登場┴総合説の時代┴現代の発展┴おわりに┴図版引用文献┴キーワード

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

24
生きるために。ただ存在するために。遺伝子を残すために。それらを行いやすくするために全ての生物は進化を続けてきた。この地球上で誕生し滅びていった数限りない生物が自らの種の存続のために、その悲願を叶えるためだけに試行錯誤を繰り返しながら代を重ねてきた。生命が在り続けようとする意味なんてきっと僕たちには永遠に解らない。でも自分の存在理由について悩むときにふと自分へと存在を繋げようとしてきた無数の生命の力を思うと、ただ生きるために生きるというシンプルな目的を成し遂げるエネルギーが漲ってくる気がする(単純)2019/08/27

白義

21
進化には、決まった方向も目的もない。生き物が環境に適応するのも最初からそうなりやすいわけではなく、遺伝子の変異のほとんどは特に意味のないものだ。だからそこらのダニと人間でどちらかが優れているということもない、と、何か人間に都合のいい教訓を読み取るのは不可能なほど冷厳たるただのプロセス。早い話がたまたま上手くいった偶然の集積でしかないこの進化という概念が、しかし生物学全てを貫く根本原理でもある。本書は具体的な生き物の生態を豊富に詳細に挙げながら、種分化や性分化の仕組みを分かりやすく紹介した優れた入門書である2015/12/19

20
化学、物理が苦手だったので、高校では生物を選択。覚えることばかりで、全然面白くなかった。こういう本を読めば良かったなあ。主に自然淘汰と適応について、分かりやすく書かれている。最後の章では進化の考えがどのように発展してきたのかコンパクトにまとめられている。2020/01/04

色々甚平

11
進化生物学の入門書。中心は著者の専門である動物がメインに語られているが、なぜ雄と雌に別れる必要があったのか?や一般的に思われている進化というものへの誤解を解く話など唆られる話だらけだった。進化=進歩でもなく、自然淘汰の意味も勘違いしていた部分など見直すこともできた。中立説については見事についていけなかったが、ほとんど優しく書かれているので身構えずに読むことができた。ローレンツの「攻撃」も今では研究され間違いであったとされているのも学問として発展してるんだなぁと感じる一文だった。2015/12/03

gerBera.m

8
進化って、寒いのに合わせて寒さに強くなるとかではなく、ランダムに進化した動物や植物が現れて、その中で自然淘汰されて生き残ったものが、結果として適応している個体であった、という話がもっとも心に残る。自然淘汰恐るべし。ということは、身体的にも精神的にも適応できなかったら消えていくのは自然の摂理であり、逆らって生きようとするから辛いのかもしれない。なんて考えた。読むなら、中学生か高校生から。2022/03/03

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