内容説明
東南アジアの新興国・R国に、日本が世界に誇る鉄道インフラを売り込め! 四葉商事の相川翔平は、受注競争で中国に負け続きの現状を打破すべく、秘策を練っていた。同じ目標を持つ経産省の官僚、竹内美絵子は、日本の人材レベルの高さに目をつけ、斬新なアイデアを打ち出す。中国に勝つための鍵は、R国の次期首相に立候補したキャサリンだった――。日本再生を予見する、希望溢れる企業小説。(解説・村上貴史)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kk
19
過疎化とインフラ輸出、そして鉄道と教育。「鉄」同士が語り合った夢の話は、果たしてR国の発展と日本の未来への切札となるのか。諄いところもあるしお伽噺的な面も否めませんが、たまにはこういポジティブな物語に浸って心を洗濯してみるのもよろしいのではないでしょうか。読後感はとても良かったです。2022/04/17
micky
15
商社の海外鉄道プロジェクトを題材に、日本政府の開発援助の問題点、商社の醍醐味が非常によく描かれていて楽しく読めた。2024/01/16
ほんた
14
東南アジアに高速鉄道を開通させるプロジェクト。日本と中国が候補に挙がります。有利と言われる中国に対し,日本の大手商社の相川翔平はあの手この手でプロジェクトを成功させようとします。しかしそこには多くの壁が。。。 果たして,日本は鉄道受注に成功できるのか。高速鉄道のメリット・デメリットもわかる作品になってます。 https://hontablog.com/鉄の楽園2022/06/12
kousei
13
新興国へ新幹線売り込みをかける経済産業省、現地法人を有する大手商社、北海道にある過疎と入学者減に悩む鉄道専門学校、そして当の新興国キーマン。4者の思惑が錯綜する極めて今日的なテーマ。ハードとソフト、教育、日本再生の方向性を示して素晴らしいデキです。現実は厳しいが国際協力の理想像を見た。ウインウインが大事、政治家や役人に読ませたい。もっと売れて良い作品と思う。2022/12/07
てぃと
13
タイトルの「鉄」は「鉄ちゃん」のことだったのですね~!話が上手く行き過ぎている感も若干ありますが、途上国の発展と過疎地の活性化が上手くリンクして夢のある話になっていて読了感は爽快でした。このようなことを実現できる世の中が早く来てほしいと願うばかりです。2022/05/07