内容説明
世界をおおった未曾有の蟄居の日々、友だちはあっちの世界に仲間入り。でも、本を開けばまた会える。かれらとのつながりは、いまのほうがつよく感じられる。樹木希林、鶴見俊輔、池内紀、橋本治、和田誠、加藤典洋、古井由吉、坪内祐三、平野甲賀……ページのむこうにある記憶の重なり。希代の本読みの読書案内、しみじみと完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
105
稀代の編集者である津野さんの随筆集。自身の「老い」を自覚しながら、先に鬼籍に入った友人たち(小沢信男、橋本治、池内紀、加藤典洋、平野甲賀各氏)を偲ぶ文章は、しみじみとした味わいに満ちている。特に、鶴見俊輔さんと彼に連なる人々(中川六平、坪内祐三、黒川創各氏)の思い出、そして、多田富雄先生の「寡黙なる巨人」を評した文章が印象深い。因みに、表題作の「かれが最後に書いた本」とは、池内紀「ヒトラーの時代」、加藤典洋「大きな字で書くこと」、古井由吉「この道」。著者自身の「最後」を意識しながらの渾身の文章である。2022/09/21
ぴかぴか
2
1938年生まれ84歳の評論家。かれ・・というのは一世を風靡した作家たち(私は知らない人ばかり)が年齢を重ねて高齢となりほぼ最後に書かれた本をよみあれこれ教えてくれる。読んでみたいなと思う本はほとんどない(難しそうなものばかり)けれど、なんといっても高齢者になり若いころは想像できなかった身体、思考の変化に驚き、悲しみ、怖い気持ちになること。これは作者はじめ登場する作家たちに共通することのように思った。キレイごとじゃない文章が身にしみた。巻頭は樹木希林さんの話題でこれがとっても良くって読み進めてしまったのだ2023/12/09
ぴかぴか
1
が・・難しかった。樹木希林さんの「人間てどっかに負けの部分があったほうが素敵だと思う」から続くページを読み返している。2023/12/09
mick
1
戦中をいつ、どの年齢で過ごしたかにより、物の見方考え方が大きく違うことがよくわかる。若い頃ピンとこなかった上の世代の人の生き方や、考え方が、一体どういうことで、どうしてなのかその一端がつかめた気がした。ナチスと日本の関係についてはもっといろんな本を読んで学びたいと感じた。2022/06/16
アンコ椿
0
懐かしい人がおおぜい出てきた。そして、次々とあの世へと旅立たれた。寂寥感、半端なし。2023/04/19
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