内容説明
書物が駆逐される世界。旅を続ける英国人少年・クリスは、検閲官に追われるユユと名乗る少女と出会う。彼女と共に追い詰められたクリスの前に、彼を救うべく少年検閲官・エノが現れる。三人は、少女が追われる原因である宝石の形をした『ミステリ』の結晶『小道具(ガジェット)』をいち早く回収すべく、オルゴール職人たちが住む海墟の洋館に向かったが……。そこで三人を待ち受けていたのは、職人たちを襲う連続不可能殺人だった! 先に到着していたもう一人の少年検閲官・カルテの支配下に置かれた場所で、三人は犯人を突き止めるべく、トリックの解明に挑む。著者渾身の力作!/解説=福井健太
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
み
50
少年検閲官シリーズ2冊目。前回同様、本が禁じられた退廃的で幻想的な世界。前作からの続きなので軽い気持ちで読み始めたら500ページ超のボリュームだった。 ページ数に見合った冒険があり、心理描写がある。多重解決とも思える各々の推理、北山さんの代名詞でもある物理トリック、意外な犯人…と前作よりも大いに楽しんだ。最後は呆然…。面白かった。次に繋がりそうなラストだし、少年検閲官の謎も残されているし、続きが読みたい。2024/02/08
森オサム
39
少年検閲官シリーズ二作目。序奏は幻想的で、どう繋がるのかは分からないが興味深く読めました。しかし本編突入後、この長い物語はほぼ半ばに来るまで事件は起きません。なので、終末的世界観や登場人物に共感出来無いと結構退屈に感じます。そしてやっと連続殺人からの多重解決的推理が始まる。が、この肝心の犯人、トリック、動機の納得感はと言えば…残念(笑)。特に物理トリックは流石に成功確率低すぎるでしょ。ちょっと期待のハードル上げ過ぎましたが、ラストは余韻が有り今後の展開を期待させる物で良かった。少年が大人になる前に続編を。2026/06/20
よるのもち
28
少年検閲官の続編。序章の切ないオルゴール職人の物語(若干島田荘司感がある)で世界観に惹き込まれ、連続する不可能犯罪に圧倒された。前作では正直あまりピンときていなかった検閲官の設定も魅力的に感じられた。 ちょっと前に読んだ「月灯館」と同じく盛りだくさんの物理トリックもお腹いっぱい楽しむ事ができて満足。出るのかは分からないけど3作目があるのならば絶対に読みたい。2022/08/09
りこ
20
『少年検閲官』で語られた事件から3ヶ月。クリスは検閲官に追われるモノクロの少女と出会い新たな事件に巻き込まれていく。夜の闇のように濃密で水底の硝子のように繊細な文体で構築された美しくも儚い世界のミステリ。けれど真相に辿り着くまではこんなにも切ない物語だとは想像すらしていなかった。ラストの余韻はあまりにも忘れがたいもので、この書物が今、手の中にある意味に思いを馳せたくなる。いつか少年ではなくなったエノはどう生きるのだろう、そのときクリスはどこにいるのだろう? 彼らの旅の行く末を見たいと願わずにはいられない。2022/04/28
マッちゃま
18
シリーズ第2弾。できれば刊行順にお楽しみ下さい。旅を続けるクリスは、検閲官に追われている少女と出会う。その少女が住んでいた洋館は外界と孤立した場所に在り、屋敷の主人と複数人のオルゴール職人が住んでいる。クリスらが洋館に訪れてから次々と職人が不可能状況で殺されていく。どうやって?誰が?何の為に?登場人物表も見ながら推理する(只の当てずっぽうだろ⁉︎)いくつかの伏線もミステリを無駄に読んでる者からしたら「ああ〜ヨメたぞ♪」なんて思っていたら綺麗にラストでひっくり返されていく。いや実に素晴らしいミステリでした。2022/07/24
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