朝日新書<br> リスクを生きる

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朝日新書
リスクを生きる

  • ISBN:9784022951656

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内容説明

コロナ禍で変わったこと、変わらなかったこと、変わるべきことは何か。東京一極集中の弊害、空洞化する高等教育、査定といじめの相似構造、感染症が可視化させたリスク社会を生きるすべを語る、哲学者と医者の知の対話。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きみたけ

66
著者は、神戸女学院大学名誉教授で昭和大学理事の内田樹先生と、神戸大学大学院医学研究科教授で感染症対策のスペシャリストの岩田健太郎先生。前作「コロナと生きる」から1年半が経ち、コロナの第五波と第六波の合間となったいま再び哲学者と医者が対談。孤独が蔓延る競争社会、空洞化する高等教育、査定といじめの相似構造、人口減に対応できない資本主義など、感染症が可視化させたリスク社会について語りあっています。岩田先生の媚びないスタイル、好きですね。2022/09/08

けんとまん1007

57
不知の知という言葉を想い出した。知らないということへの恐怖ななのかと思う。結果として、表面的なことを搔き集めることに終始し、近視眼的・短絡的になってしまう。自分を安心させるために、周囲と比較し、自分のポジションを確認するだけ。この前に読んだ、千葉雅也さんの現代思想入門とも響きあう。二項対立で白黒つけて安心してしまうことの危うさの結果が、今の状況だと思う。また、時によってはスピード・できることから始めることを優先するとか、合気道では競わないということ。このあたりからの気づきも多い。2022/10/17

肉尊

53
対談とあって、サクサク読み進めることができたが、話の内容が右往左往している感じがした。タイトルにあるように、コロナ禍とリスクについて、私が思うのは「自己責任」という名の責任転嫁。PCRもワクチン接種も自己責任。結局、ワクチンを打ったからといって感染しないわけではない。コロナ初期の頃に比べ、様々な方面でマニュアルが確立されたが、強権的になると、国家転覆の可能性を孕むということも考えられる。以前、風邪を引いたときに同僚からコロナだと言われ避けられることがあったが、この病は人の絆も破壊せしむるのだろうか。2022/12/12

tokko

24
コロナ社会が前景化したおかげで、それまで見えにくかったものがよりクリアに見えるようになりました。まず査定、序列社会。全体の中の相対的な位置を知りたがるという無意識的な傾向が作り出す脆弱な社会を、コロナは可視化しました。現場判断を許さない指示系統やブルシットジョブが、どれだけ危機的状況と食い合わせが悪いのかがよくわかります。それとメディアの断定的な物言いの危うさ。人は知識があればあるほど断定できないものです。けれど、今のメディアでは留保や仮定を受け入れ難い。いつからこんなにバカになったんだろうというくらい。2022/04/26

奈良 楓

21
【とても良かった】内田樹さんと岩田さんの対談集。コロナの話よりも今の日本の在り方の話が中心でした。査定的な世の中が今の日本の生きにくさなのでしょうか。拙い感想になりましたが、読んでわかるとても面白かった本。カミュの「ペスト」に興味がわいてきました。2022/07/15

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