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内容説明
松尾芭蕉が「奥の細道」の旅に出て300余年。世界を旅した著者がたどる旅に出た。史跡を訪ねる旅のなかで、何を感じ、何を思うか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
30
海外での貧乏旅行で有名な作者がおくのほそ道の行程を辿った旅行記。おくのほそ道の行程といってもバスや鉄道利用がほとんどで歩行をほぼしていないことに加え、海外と違い国内ではハプニングがほぼ起きないことから淡々と話が進む印象。何度か強調されているバス接続の大変さがやけに印象に残る。旅ではなく時折出てくるおくのほそ道の分析を前面に出してもよかったかもしれない。2022/04/29
みこ
27
古代人のスキルで船を作り中国から沖縄まで渡るプロジェクトを連想したが、そこまで地理や歴史に関する学術的要素はない。むしろ序盤でセルフツッコミをしているようにテレビ東京で企画放送されそうな珍道中となっているので気楽に読めるし、学術的考察がない分、意外と芭蕉の心情に寄り添った内容になっている。コロナ禍においては読んでいる側まで旅行した気分になれるから有難味まで感じてしまう。ラストはまさかの「俺たちの戦いはこれからだ!」で締められている。2022/05/24
yyrn
25
最近の旅レポ的に芭蕉の旅を紹介するとこういう本になるのだろうか。旅の先々で読んだ句の考察もあるが、むしろ電車やバス、徒歩(原則一日1時間だけ)で芭蕉の足跡をたどった移動?記で、その途中で起こるトラブル(主に乗継ぎの悪さ)をいちいち取り上げるので、ああなるほど、そうだろうなという感想は持つが、企画ツアーのハウツー本とみれば面白いが、しかし、芭蕉の心情に触れたいのであれば(乗継やほかの仕事の都合などで飛ばさず)歩く箇所を優先すべきだったと思う。なお、行政界を越える路線バス移動のテクニックは参考になったw。2022/09/11
kuukazoo
14
アジアバックパッカー作家という認識だったので、あなたが『おくのほそ道』ですか?というのが第一印象。彼も60歳半ば。さすがに全行程徒歩は困難なので、路線バスや電車を使いつつ芭蕉が歩いたらしい旧街道を1日1時間歩く旅。いろいろ縛りが多く旅程を組むのが大変で、そのへんの苦労話が多い(スケジュール調整がうまくいかなかったのか、冬の北陸を旅する羽目になったのは何故としか)。そのせいか『おくのほそ道』と『曾良旅日記』を比較しつつ、旅の裏仕事を一手に引き受けた曾良への思い入れが強いのが面白い。曾良関連本は読んでみたい。2022/06/25
カツ
9
コロナ禍のせいか下川さんにしては珍しい国内紀行モノ。しかし、中途半端な内容で自分的にはイマイチでした。途中、少し前に読んだ「獄門島」で使われた句が出てきてので一人ほくそ笑む。著者は十年ほど前から俳句を始めたそうだが吉田類もやっているし、自分もやってみようかという気持ちになった。2023/06/30