ディスカヴァーebook選書<br> 見たのは誰だ

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ディスカヴァーebook選書
見たのは誰だ

  • 著者名:大下宇陀児【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン(2022/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309415215

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内容説明

貧しいアプレ大学生桐原進は、友人の古川昌人と起業を計画するが、資金難から古川の持ちかけた宝石強盗に、正統性を見出し行動に移す。だがそこに思いもよらぬ殺人事件が…。伝説の雑誌『新青年』でデビューし、“変格の鬼才”の勇名を轟かせた大下の、倒叙モノの最高傑作の初文庫化。人情派弁護士探偵・俵岩男奮闘!
(※本書は1959/1/1に発売し、2022/3/10に電子化をいたしました)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

34
第一部は貧困学生の強盗への決意から共犯者の不信がつのり思わぬ結末へ一気呵成になだれこむ倒叙モノのサスペンスで掴みは充分。第二部は人情派弁護士による絶対的に不利な状況の確認と、逆転への小さな足場づくりで「これをどうひっくり返すの?」と興味を持続させる。ただ第三部でそれまで保ってきたリアリティーが崩ちゃったのが残念。題名へと繋がる地に足のついた細かい隙間を突く推理も良かったから、派手な展開はむしろいらなかったなぁ。60年以上前の作品とは思えない読みやすさなのは流石。2017/05/17

buchipanda3

32
1955年作品の復刻版ミステリ長編。事件が発生するまでの過程が細かに描かれていて面白味があった。読み易いし、意外性もあって今でも面白さが十分に通じると思う。後半はちょっとびっくりの展開。大学生の桐原進はお金のために友人と盗みを企むが思わぬ事態が生じる。彼はその状況から抜け出せるのか・・。犯罪を犯すかどうかを悩む主人公の姿、親友や恋人そして共謀の友人とのやり取りを見てると徐々に不安度が増していく。そういった描写が読み応えがあった。探偵役の俵岩男は地味めだけど堅実さと誠実さが良い。最後まで楽しめた作品。2017/04/18

シガー&シュガー

15
弁護士・俵岩男シリーズの初登場物と聞いたけど、登場がかなり後だし、犯罪に手を染める学生・桐原の生活環境と人間関係がこまかに描かれるので、主人公が二人いたような、実際より長編な印象が残る。で、実際以上の罪を背負わされそうになる学生・桐原の冤罪を俵弁護士がどう晴らしていくのかが後半の読みどころ、なるほどこのタイトルなわけねと首肯。冤罪といえども犯罪を犯したことは間違いないので影を残した大団円だけれども前向きな風が吹いた終わり方もマル。桐原と幼馴染の友情も爽やかで少しだけ萌えなのも良かったかな。2018/01/02

色々甚平

9
乱歩世代の探偵小説作家によるミステリー。本格派といわれる謎解きメインではなく、苦学生や当時の社会情勢などを反映している人間ドラマを多く取り込んでいるところが今のミステリー小説に繋がる日本推理小説の始まりの位置に属するのかもしれない。ミステリー自体は力技だが、日本推理小説の歴史的な意味合いも含めて読むと面白いかもしれない。2018/11/24

sashi_mono

7
青年にきせられた重罪を人権派弁護士・俵巌男が晴らすという戦後の世相をうまく盛り込んだ倒叙ミステリー(サスペンス色強し)。犯行の全容を前半部に示す小説形式が採用されているが、設定上の縛りもあり、犯人を追い詰めていく手に汗にぎるような展開力には欠ける。なおアプレゲールという言葉にふれたのは、光クラブ事件の山崎晃嗣を題材にした三島由紀夫『青の時代』以来となる。2018/02/03

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