文春文庫<br> 幕府軍艦「回天」始末

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文春文庫
幕府軍艦「回天」始末

  • 著者名:吉村昭【著】
  • 価格 ¥719(本体¥654)
  • 文藝春秋(2022/03発売)
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  • ISBN:9784167918460

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内容説明

歴史に秘められた事実を掘り起こした傑作長篇。

明治二年三月二十五日の夜明け。
宮古湾に碇泊している新政府軍の艦隊を
旧幕府軍の軍艦「回天」が襲った――。

箱館に立てこもった榎本武揚、土方歳三らは、次第に追い詰められていく状況を打開しようと、新鋭艦・開陽丸なきあと二番手の軍艦だった「回天」を使い、大胆な奇襲に賭けたのだった。
奇襲には成功したが、外輪船で小回りが利かない「回天」は、新政府艦隊に包囲されて集中砲撃を浴びる――。

一切作者の主観的視点は入れ込まず、事実のみをたどり、「回天」の運命を追いながら、初めて海上から箱館戦争が描かれた。

後に書かれる『天狗争乱』につながる、隠れた名作。

薩摩藩領宝島において、外国の捕鯨船員と島の警備の日本人との間の、小規模ながら戦闘がおこなわれた様子を描く「牛」を併録。

解説・森 史朗

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

55
短い作品ですが、とってもわかりやすく語られていると思います。凝縮しているという感じです。私たちが日頃目にし、耳にしている報道の裏側にも埋もれてしまった事実があるんだと思います。もう、そうした事実を追求する人はいないのだろうか。2022/04/23

kawa

34
維新の東西攻防戦で、幕府軍艦「回天」が新政府の高性能軍艦「甲鉄」乗っ取りを狙った宮古湾急襲。その史実は承知なのだが、当初の作戦詳細やそのための訓練の様子までは知らなかった。いたるところで「細部に神は宿る」吉村マナーが冴え読み手を堪能させる。同時に収録される短編「牛」も、鹿児島から船で13時間のトカラ列島・宝島という知らなかった小島でのイギリス捕鯨船と現地の人々との騒動記。グーグル地図で確認すると、その騒動地をイギリス坂と命名してその由来碑が残る。歴史に埋もれる事件を掘り起こす流石の吉村作品に脱帽。2026/05/03

たぬ

24
☆4 いや~ちびまる子ちゃん以外で清水の次郎長の名前を目にしたのは初めてだよ(一回こっきりの登場だったけど)。それにしても旧幕府軍対新政府軍の海戦のすさまじいこと! 銃や砲で容赦なく殲滅を狙ってくる。戦には負けたけど榎本武揚は幸運の星の下に生まれてるよね。あの状況は処刑されてもおかしくないもの。併録の「牛」も〇。牛肉食べたいがためだけによその国で何してくれてんだよイギリス人。2022/09/16

なの

18
解説にある通り、徹底した取材に基づく、迫力のある作品でした。吉村昭の真骨頂です。 続く短編も何気なく読んだが、あとがきや解説を見て、大きな影響を与えた出来事だと知って驚いた。2022/07/17

カツ

14
榎本艦隊の戦いを内側から描いた話。この辺りの話は他の本だとさらっと終わってしまっているので、詳細が分かって良かった。私の好きな土方歳三が先生の本に登場するので感慨深い。しかし、そこは先生らしくあっさりとしているのだが。もう一本の「牛」は動物小説かと思ったが、異国船が襲撃してくる話で尊王攘夷論が興る要因の一つになった事件との事。2024/01/04

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