内容説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
私たちが生きる世界の向こう側にある見えない世界「異界」――。いにしえの人々は、人知を越えた存在を畏れ敬い、異界という世界を創り上げた。人々が異界を通し築き上げた文化や伝統、社会を解説していく。神社に張り巡らされた結界とは? 「かごめかごめ」は呪術だった? 北東は鬼の通り道だった? 相撲の作法は魔除けの儀式だった? いにしえから伝わる民俗信仰や、歴史の観点から「異界」を紐解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
99
日本の異界を「空間」「モノと暮らし」「行事」「芸能」の4つの分類に分けて基礎的な概念を知ることができる図典。物語からも異界との繋がりが読み解かれているが、桃太郎の「まれびと」説には納得。浦島太郎の御伽草子版のハッピーエンドバージョンは知らなかった。普段使っている挨拶にも言霊があり「いってらっしゃい」には「行って」と「いらっしゃい」が合成したもので相手が戻ってくることを願うおまじないの要素が含まれているという説があるそうだ。他にも何気に使っている言霊挨拶はありそうだな。2021/08/22
☆よいこ
80
朝里樹(あさざといつき)さん監修の、日本の儀式やしきたりに関する図鑑。厄祓いについての情報多。参考文献も多い▽[序章:物語から読み解く異界の世界]浦島太郎/桃太郎/酒呑童子/かぐや姫[1.空間と異界]山海、橋や辻、方角など[2.モノと暮らしと異界]言葉やしぐさ、色音香りなど[3.行事と異界]節分や節句、正月と年越しなど[4.芸能と異界]能楽、文楽、舞、雅楽、茶道、相撲▽流鏑馬について記述あり。2021年刊。挿画もいい。良本2024/08/02
ポチ
50
古くから今に伝わる生活習慣や行事などを分かり易く説明している。表紙に惹かれたのだが…思っていたのと違った。2021/03/20
かりさ
44
古くから畏怖の存在としてこの世ならざるものとして伝わってきた異界を美しい絵と分類別に案内。物語や空間、人々の暮らし、行事や芸能、文化や伝統を語るのに寄り添う世界を民俗学的に読み解く。異界に幻想や怪異を感じる感性をさらに愛おしく大切にしたいと思わせてくれます。2021/02/13
リッツ
23
古くより伝わり恐れ崇められてもきた異なる世界。伝説は想像をかきたて、物語にもなった。暮らしのなかに根づいた行事、所作やしきたりの中にも呪詛や守りが秘められていると知った時、境目を覗いた時の怖さと妖しい胸の高鳴りを感じた。2021/11/29