親指が行方不明

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親指が行方不明

  • 著者名:尹雄大【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 晶文社(2022/02発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794972996

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内容説明

【名越康文氏(精神科医)、推薦!】
我々の?心と意識と身体は、
実は別々のタップを踏み続けている。
足が絡まり転びそうになりながらも、
我々は人生という舞台で踊り続けるのだ。

普段見落とされている、
この生きづらさの本質を、
著者は活き活きと暴き出す。
このことが納得できるだけで、
どれだけ多くの人生が
救われることだろうか。

* * *

ぎこちない、まとまらない、よそよそしい。
この「こころ」と「からだ」をどう生きるか。
内側にある「もう一人の自分」との出会い方。

* * *

いつの頃からか両手の親指が「行方不明」になりがちだ。
親指がつながっていない感じがあるため拳を握るのが難
しい。感覚的にはみ出たまま、いつも熱を帯びている。
動くときは引っかかる感じがする。ズレは親指に限らな
い。僕はいろいろと不具合を抱えている――この探求が
僕と同様に困りごとを抱えている人の生きやすさにつな
がればいいなと思っている。(本書より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Sakie

15
たぶんすごい本なのだ。親指が行方不明くらいならぼんやり想像もできようが、その後のあれこれに至っては全く途方に暮れる。尹さんの「体の知性を取り戻す」が私と私の身体の融和への光明になっただけに、この圧倒的な置いて行かれ感に呆然としてしまった。しかし私には私の、身体的にも精神的にも"他にどうしようもできなかった"記憶があって、それのことなんだろうと含むしかない。意識と身体のズレ、思考と時間のズレ、かと。手首の関節を限りなく曲げていく光岡先生の練習が興味深い。加減を知悉しないと折れるし、信頼がないと任せられない。2022/03/24

14
体と心は、最も身近な他者。ズレていく両方の「あいだ」で、もがく自分。一方、心身と外界の「あいだ」には無数の現実がある。どれもこれも、まとまらないから、ままならない。ただ、それを「生きづらさ」では終わらせない▼ "思考と身体感覚の隔たりは、まだまだ未熟で社会性が足りないから生じるのではない。そのズレは、その人自身だから生まれるものだ。(P.69)"読書を通じて、「ひとつの感受性=自分」だとか、「名付けられた社会性が欲しい」と思ってしまう癖を再発見したかも。2022/11/03

ねこっち

3
自閉とか統失とか、そんな言葉さえ失礼で無駄なことだなと思わされたな。他者理解は勿論、自己理解も不可能だと私は思っているからな、色んな人がいる、これに尽きる。精神疾患ラベリングされている私として、成る程〜と思うようなところもあったりなかったり。不思議な本であった。2024/04/24

さたん・さたーん・さーたん

2
著者が抱える体の「ままならなさ」をめぐり、「生きていることの当たり前」や健常さを再考し身体観を捉え直す。確かに私は「意識的に」自らを鞭打ち、「○○しなければ」と体をこき使い意識に伺いを立てる意識至上主義とでも言うべき生き方をしてきた。そんな私に真正面から一石を投じてきたこの読書体験は感慨深い。心とは、過去を振り返っては後悔をし、未来を仰いでは欲望を生む。こんなに不可視不可知のものに構成されながら、見えるものにしか敬意を払わない価値観のメッキの下を垣間見る。2023/03/28

江藤 はるは

2
👍2022/02/28

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