内容説明
【ご購入の前に】本書は1997年に徳間書店より刊行された『世紀末・戦争の構造』を改題した新装版です。
副島隆彦氏推薦・解説
「いまこそ大天才・小室直樹に学べ!」
日本人の外交・戦争オンチは国際法の無知に理由がある。
戦争、国際政治、国際法は三位一体でないと理解できない。国際経済も加えれば四位一体となる。
国家(ネーション)ができる前に、すでにヨーロッパには国際社会が存在していた。
そのヨーロッパにおけるキリスト教共同体からいかにして、国家、資本主義、近代法、戦争が生まれたか。
本書はその根源にある宗教を徹底分析したものである。
そしてヨーロッパで生まれたこの怪獣は、世界中に広まり、新環境に応じて姿を変じていった。
この怪獣の変貌を追跡し、その意味を真に把握する。
でないと……我々は気がつけば戦場に立っていたという羽目に陥ることだろう。
不世出の大天才・小室直樹だから解明できたヨーロッパ近代の根本原理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
24
1997年出版の「世紀末・戦争の構造」を改題した新装版。国際法が成立していったヨーロッパの歴史を読み解き、湾岸戦争が列強政治の転換点であるという所までを解説。アメリカの正統性の低下と国際政治秩序の流動化という点は理解したけれど、今のウクライナを巡る問題を見れば小国においては独立国家の確立も、列強の協力や承認なしにはやはり不可能であるように見える。小室本の新装版をもう1冊手に入れたので引続き勉強。2022/10/31
みき
22
良い本であるが埃臭さは否めない。国際法は慣習法であるとか、国連の本質は対日独への軍事同盟など今は当たり前のように言われることが小室氏が最初に喝破したのであれば賞賛に値するが………そろそろ没後10年も経つので小室理論と現実が乖離し始めているのかもなーと漠然と考えながら読み進めました。小室氏は天才と言われてるそうですが10年後も読み継がれるのか、ちょっと分からないですね2022/04/25
軍縮地球市民shinshin
17
1997年に徳間文庫から出版された旧著の改題新装版。ロシアによるウクライナ侵略が起こっている今にもっともタイムリーな復刊と言えるだろう。1931年、満洲事変を引き起こした日本に国際連盟は制裁を行うが、日本軍の軍事行動を止めることはできなかった。なぜかといえば、連盟は軍事力を行使できなかったからだ。戦後、新たに発足した国際連合は軍事力も行使できるとしているが、その実態は米英ソの軍事同盟であり、これら強国の思惑によって一致結束できないと著者は指摘している。国連は対日独という「侵略国」に対する安保理事国の軍事同2022/03/28
ムカルナス
9
国際法が成立した経緯を西洋のキリスト教社会から説明。対して西洋よりも高度な文明社会だったイスラム世界が近代化出来なかった理由はイスラム教の教典にあり、かつて弟子分だった西洋に対するイスラムの思いは複雑だ。結局、国際法は成文法ではあるが一早く近代化した西洋の慣習による部分も多く、また自由・人権・平和と理想を唱えつつも力の強いものが国際法をツールとして世界を支配する面は否めない。国連を信じ戦争は反対としか言えない「お花畑」日本人に現実を解説する本。2022/05/11
mdoguti
3
kindleunlimited.戦争というよりは、国際法の淵源を解説したものというのが適切か。思っていた内容とは異なったものの、久しぶりの小室節は十分に楽しめました。現世界では、主権国家を超える権威と権力は存在せず、国際法は国家間の慣習法でしかないこと。その慣習法も、実は列強(Powers)のみが対象であったこと。それを非列強の国々にも適用しているために齟齬が生じていること。直接、軍事(戦争)の知識とはならないものの、学んでいくうえで肝に銘じたい知識が満載の一冊でした。2024/05/11
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