シナプス

著者名：大木亜希子【著】

講談社（2022/03発売）

• ISBN：9784065266625

内容説明

覚醒するんだ、わたしーー。
常識、嫉妬、欲望、理想etc. 今の自分を束縛するものと訣別したとき、世界が変わる！
『アイドル、やめました。』『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』の著者が描く、
悩みながらも一歩前へ進もうとする人々全てに捧げる応援小説。

【収録作】（全四話）
「シナプス」幼い頃から心の支えだった作家・宮原の担当編集者になった塔子は、彼との不倫関係が会社にバレて退職を選択する。新天地の週刊誌編集部で待っていた過酷な現実とは?
「風俗嬢A」花屋でバイトをしながら人気女優を目指す31歳の紗英は、同業の彼氏とも崩壊の危機。そんな崖っぷちな彼女に与えられた役は、名もなき風俗嬢だった。
「MILK」営業成績優秀ながら、部下の俊太郎と報われない恋を続ける楓。心に傷を負った彼女が目にしたのは、レズビアン風俗のサイトでーー 。
「海の見えるコールセンター」有名映画プロデューサーとの不倫をスクープされたアイドル・早瀬マリカは、引退後、新潟で平凡な暮らしを送っていたはずだった。しかし、そこにも週刊誌の魔の手は伸びて......。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[konoha]

とても面白かった。一気読み。芸能や出版業界に生きる女性がリアルな4編。仕事や恋愛のエピソードが上手く物語に没入した。不倫やセクハラに苦悩する主人公たち。同い年の売れない役者カップルを男女の視点から書いた「風俗嬢A」が好き。ウーバーイーツで稼ぐ彼氏がTwitterでバズるのがおかしい。不倫に絶望しレズビアン風俗に出会う「MILK」は展開に驚く。性描写が多いが、きれいな文章で読みやすい。ラストも鮮やか。刹那的な温かさを求め、強くしたたかに生きる女性の奥にある柔らかい感情を作者が大事にしているように思う。

2022/06/21

[ゆのん]

4編から成る連作短編。『女』という立場から読むと大小はあれど『クズ』と言いたくなる様な男性ばかりが登場する気がする。不倫にセクハラ、権力を盾にする、言い訳ばかりで人生を無駄にしているなどなど…。では登場する女性達は全くの被害者かというと違うと思ってしまう。自分で決め、行動してきたのだから。心の空白を埋めるのは男だけでは無いと思う。あまりに軽はずみな行動に思えてならない。それでも先が気になり一気に読まされてしまった。登場男性にも女性にも全く共感出来ないが、生きていくというのは大変だと思った。

2022/03/02

[なっち]

著者の方、元アイドルということなのですが文体は全く甘くありません。我慢できない男たちが多く登場。

2022/03/27

[とももも]

一人一人のキャラが立っていて、一気読み。 面白かった。 総じて、女性は強い。 動き出せば運命は変えられる。

2022/06/19

[笑う門には福来る]

短編少し連作。ワタシ的にはとてもオモシロかった。それなのに読メ登録数が少なすぎてビックリ。元アイドルなどなど何も知らないで読んだが、この作者の作品をまた読みたいと思って調べて知った。 こういう世界が現実にもあるんだろうなあと想像させるくらい、出てくる女の子がリアル。

2022/05/01