大衆運動 新訳版

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大衆運動 新訳版

  • ISBN:9784314011891

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内容説明

【沖仲仕の哲学者・ホッファー 生誕120年記念】

宗教運動、民族主義運動、ナチズム、共産主義……いったい何が人々を集団行動にのめりこませたのか?
古今東西の大衆運動の特に狂信的段階を考察し、それらに共通する特性をあぶりだしながら、運動の発生・拡大のダイナミクスを活写する。

現代におけるナショナリズムや排外主義の台頭、テロリズム、カルト活動などを理解するうえでも示唆に富む社会思想の古典的名著の新訳版

目次

序文

第1部 大衆運動の魅力
第1章 変化を求める欲望
第2章 身代わりを求める欲望
第3章 大衆運動の互換性

第2部 運動に参加する可能性のある人々
第4章 社会における好ましからざる人々の役割
第5章 貧困者
第6章 不適応者
第7章 極端な利己主義者
第8章 無限の機会を前にした野心家たち
第9章 少数派
第10章 退屈した人々
第11章 犯罪者たち

第3部 統一行動と自己犠牲
第12章 序
第13章 自己犠牲を促進する要因
第14章 統一の原動力

第4部 運動の発端から終焉まで
第15章 言論人
第16章 狂信者たち
第17章 実務的な活動家
第18章 良い大衆運動と悪い大衆運動

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

105
1951年のホッファー第一作。最近日本で起こった射殺事件の犯人にあてはまるところが非常にあるが、ナチやスターリンの周辺を主に例に挙げている。重複して語られるなどまとまっていない印象も持つ。「大衆運動の初期は活動的な段階であり、中心を占めるのは忠実で、聖なる大義のために自分の命を犠牲にふる準備が出来ている狂信的な信仰を抱く人々。支持者の中心となるのは、欲求不満をもつ人々。民衆に魂を震撼させるように熱狂を生み出す必要がある。中間層は変化を好まない傾向がある。政治的経験のある人は、遅れてやってくる」2022/07/23

noko

5
全ての大衆運動の初期の支持者で中心となるのは、欲求不満を持つ人々。成功を実現した人や満ち足りた人は根本的革新から顔を背ける、未来に大きい希望を持つ人は今を破壊して新しい世界を作り出そうとする。変化を起こすには今に不安を抱いていないと。自分の生活が修復出来ないまでに損なわれていると考えてる人が切望するのは、新しい生活か生まれ変わる事。大衆運動はこのような人にチャンスを提供している。欲求不満をもつ人に大衆運動は生きがいを与えている。他にも大衆運動にはお金儲けの為に参加している人、その他もいて一つの集団になる。2023/12/08

noraneko

2
昨今の色々な事象・ムーブメントに対しての納得がいった。 社会に不満を感じている人を集め、指導者が統一する。 そして組織を作り変え、凝り固まれば再び運動で壊すサイクルができている。 ただ良い方向に活力が向かえば社会の活性化に向かう。 ジョージ・オーウェルの動物農場を思い出した。2022/07/22

海冨長秀

1
「自らが卓越した人物であると主張する根拠がないと考えれば考えるほど、人は自分の国や宗教や聖なる大義が卓越したものであると主張するようになる」「私たちが大衆運動に参加するのは、個人の責任から逃れるためであり、(略)」1950年位に書かれた本であるのに、「ふつうの日本人」と主張する人など、現代日本にもとてもよく当てはまる。私自身に当てはまるとは思いたくないが、改めて再点検しながら再読したいと思う。また原著も読みたいと思った。2022/10/03

Yoshi

1
大衆運動に関しての洞察。 アフォリズムが秀逸で、よくもまあここまで上手に言い表したと感嘆する。 現在から不安や欲求不満を作り出し、未来へ向かう力。 それに対して賛同する指導者と言論人、知識人、活動家とが絡み運動をおこし変革や革命をしていくというそれの中にも良いものと悪い物で分けていたり、芸術との絡みの話も面白く、芸術に失敗した人達がこれらに関わりやすい事や、創造性をやめ模倣に逃げた人たちがこれに賛同しその自己欺瞞ゆえに狂信者になる等示唆に富んでいると感じた。2022/09/08

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