文春e-book<br> ヒノマル

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文春e-book
ヒノマル

  • 著者名:古市憲寿【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 文藝春秋(2022/02発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163914695

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内容説明

昭和18年、戦時下の日本。国家のために死ぬことを夢見る軍国少年・勇二が出会ったのは、歴史学者の娘・涼子。
日本が戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う不謹慎な彼女が、大学生の兄の恋人だと知ったのは、学徒出陣が近付く頃だった…。

「どうして俺が生き残っちゃったんだろうな」
「生き残ることは罪じゃないでしょう」

自由が統制され、夢を見ることさえ叶わない社会で、少年少女はどこへたどりつくのか。
秘密の図書館、真夜中の帝都、出征の朝、西へ向かう夜汽車、真っ白な日の丸。
『平成くん、さようなら』の著者による書き下ろし青春小説!!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

208
古市 憲寿は、小説の新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は著者の初長編、新境地でしょうか、戦時下の青春恋愛譚の佳作でした。ウクライナ情勢が刻々と変化している現在、読むと心に沁みてきます。No More War! LOVE & PEACE! 何故か発売日が猫の日だにゃあ(=^・^=) https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639146952022/03/10

とん大西

111
太平洋戦争末期。愛国心とアイデンティティのはざまで揺れる勇二。文武両道で明朗な兄・優一をひたすら慕い、その恋人の涼子に不器用な思いを寄せる。誰を守る、何を守る。戦時下故に真っ直ぐ過ぎる勇二の志と戦時下には似つかわしい涼子の奔放さ。焦れて切なくほろ苦く。これまでの古市作品からは想像できなかったド直球の青春ラブストーリー。いじらしくて愛しい。明日の彼らにエールをおくりたくなる爽やかな読み心地。2022/04/03

Ikutan

80
全てを皇国に捧げることが正しいと信じる軍国少年の勇二。友人と洞窟探検に行き、勝ち気で生意気な涼子と出会う。彼女の言葉に反感を抱きつつも、どんどん惹かれていく勇二。ところが、涼子は勇二が尊敬し、心から慕っている兄の恋人だった。当時の緊張感のある世相が丁寧に描かれ、そんな中、少年の真っ直ぐな心が胸を打つ。出征する兄と三人で過ごした濃厚な時間。特高の横暴。続く辛い報せ。そして学徒動員での再会。『人間に与えられた一番の贈り物は、他人の心がわからないこと。心は自由よ。』人物がみんな魅力的で夢中になって読んだ。良作。2022/04/08

なゆ

59
なんと、戦時下の恋愛小説だったのか。ゴリゴリの軍国少年勇二と優秀な兄の優一、自由奔放な涼子。十代の彼らが息苦しい時代であっても大人たちの目をかいくぐり青春し恋もする。リベラルかつ裕福な涼子の家があるからできたことでもあり、食べ物にもあまり不自由してないようでいつの世も格差ってヤツが忌々しい。全く逆の考え方の涼子に会ったことで、勇二のガチガチの軍国主義が揺らぎはじめるとこが読みどころ。そして、古市氏が書いたとは思えないロマンティックなラストシーンも。2022/08/27

58
古市さん渾身の一作だろう。既読の作品はどれもどこか無機質な感じがしたが、今作は大層エモーショナル。戦時中の青春恋愛小説。愛国心が非常に強く「お国の為なら喜んで死ぬ」という勇二。ある日勇二は美人で活発で大胆な涼子と知り合う。涼子は勇二の愛国心をことごとく否定し「日本は戦争負ける」と言い放つ。強く反発する勇二だが、涼子に心惹かれる気持ちは止まらない。戦争時代なので辛いシーンもあるにはあるが、悲壮感は控えめな感じがした。エピソードや人物にフィクション感は強いものの勇二も涼子も魅力的なので最後まで面白く読んだ。2022/03/28

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