創文社オンデマンド叢書<br> 身体(叢書身体の思想) 東洋的身心論の試み

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創文社オンデマンド叢書
身体(叢書身体の思想) 東洋的身心論の試み

  • 著者名:湯浅泰雄【著】
  • 価格 ¥4,565(本体¥4,150)
  • 講談社(2022/02発売)
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内容説明

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【内容紹介・目次・著者略歴】
“心”と“身体”―デカルト以来の近代西洋哲学が幾度となく究明を試みたその問題は、東洋思想の照明を受けつつ、今日最もヴィヴィッドな課題として我々の前にあらわれている。哲学者であり、ユング心理学や「気」の研究の先頭走者でもある著者は、現象学、生理心理学との通路を縦横に結びつつ、東洋的「心身一如」論の現代的意義を浮かび上がらせる。

【目次より】
序説 研究の目的と問題の概観
第一章 近代日本哲学の身体観
一 和辻哲郎の身体観をめぐって
二 西田幾多郎の身体観をめぐって
三 東洋思想研究の態度と方法
第二章 修行と身体
一 修行とは何か
二 芸道論
三 道元
四 空海
第三章 東洋的身心論の現代的意義
一 現代の哲学的身心論とその問題点
1 ペルグソンの運動的図式
2 メルロ=ボンティの身体的図式
3 情動の問題
二 身心関係の二重構造
1 表層的構造と基底的構造
2 身心関係の日常的理解の逆転
三 東洋的瞑想の領域
1 心理療法と修行の比較考察
2 形而上学と身心論
あとがき
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湯浅 泰雄
1925年生まれ。東京大学文学部(倫理学科)卒業。文学博士。山梨大学・大阪大学・筑波大学教授、桜美林大学国際学部教授を歴任。
著書に『近代日本の哲学と実存思想』『和辻哲郎 近代日本哲学の運命』『日本人の宗教意識』『東洋文化の深層』『宗教経験と深層心理』『古代日本の精神世界』『ユングと東洋』『気・修行・身体』など。講談社学術文庫に『ユングとキリスト教』などがある。

目次

目次
序説 研究の目的と問題の概観
(1)研究の動機 (2)身心の一体性はいかに問われてきたか (3)修行論の系譜にみられる身心把握 (4)東洋的身心論の現代的評価
第一章 近代日本哲学の身体観
一 和辻哲郎の身体観をめぐって
(1)問主体性における空問と身体 (2)時間・空問経験の把握における東西の思考様式の差 (3)身心の一体性について
二 西田幾多郎の身体観をめぐって
(1)行為的直観における身体の両義的性格 (2)時間意識と空間意識の身体に対する関係 (3)有の場所から無の場所へ (4)意識における二重の層 (5)場所的経験における実践的な直接的明証性 (6)行為的直観の二重の構造 (7)西田哲学の方法についての問題点
三 東洋思想研究の態度と方法
(1)方法論的反省の必要 (2)東洋の形而上学と深層心理学
第二章 修行と身体
一 修行とは何か
(1)インド仏教における戒律の意味 (2)中国・日本における戒律観念の変化 (3)日本仏教における戒律と修行の関係 (4)修行の意味内容
二 芸道論
(1)歌論における稽古と修行 (2)和歌陀羅尼観 (3)世阿弥における「わざ」と「心」 (4)無心と身心一如
三 道元
(1)禅の実践的性格は何を意味するか (2)修行を通ずる日常的存在理解の転回 (3)参禅における身心関係のとらえ方 (4)日常的次元からの脱落
四 空海
(1)中国仏教の特性と密教のインド的性格 (2)十住心教判と修行 (3)身体と性の問題 (4)マンダラにみられるエロスの昇華 (5)クンダリニ・ヨガの瞑想との比較 (6)即身成仏論における身心関係 (7)修行における身体の両義性の克服
第三章 東洋的身心論の現代的意義
一 現代の哲学的身心論とその問題点
1 ペルグソンの運動的図式
(1)知覚と記憶の相互浸透の底にあるもの (2)脳の役割と身体の運動的図式の想定
2 メルロ=ボンティの身体的図式
(1)感覚-運動回路と身体的図式 (2)内部知覚の問題 (3)習慣的身体の層における実存的指向弓 (4)ポンティの身体論への一般的評価
3 情動の問題
(1)感覚-運動回路の基底にあるもの (2)情動の二つの方向
二 身心関係の二重構造
1 表層的構造と基底的構造
(1)生理心理学的にみた身体の二重構造と心の二重構造 (2)心身相関の生理心理学的研究の現状と東洋思想 (3)心身論研究の発展とその哲学的意義
2 身心関係の日常的理解の逆転
(1)ベルグソンの仮定の再評価 (2)直観と無意識領域
三 東洋的瞑想の領域
1 心理療法と修行の比較考察
(1)心身医学における疾患と治療の意味 (2)心理治療と修行の共通点と差異点 (3)インド的瞑想にみられる身心関係のメカニズム
2 形而上学と身心論
(1)東洋的形而上学への通路としての身心論 (2)インド・中国