角川文庫<br> 黄金列車

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角川文庫
黄金列車

  • 著者名:佐藤亜紀【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • KADOKAWA(2022/02発売)
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  • ISBN:9784041110652

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内容説明

ハンガリー王国大蔵省の職員・バログは、現場担当としてユダヤ人の資産を保護・退避させるべく「黄金列車」に乗り込む。財宝を狙い近づいてくる悪党らを相手に、文官の論理と交渉術で渡り合っていくが――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

61
ユダヤ人から没収した資産を保護・退避させるためブダペストを出発した黄金列車。この作品は、列車の管理を任されたユダヤ人資産管理委員会のメンバーたちを中心に描かれている。迫りくるロシア軍、なんとか逃げおおせようと焦るメンバー、そんな中、トップの大佐はなんと高価なものばかりをトラックに詰め込み、走り去ってしまう。ようやく国外に出ても、線路使用の許可取りと機関車の確保に四苦八苦、長い貨車は敵の攻撃の的代わりにされる。2023/10/23

びっぐすとん

22
第二次世界大戦末期、ロシアの侵攻からハンガリー政府がユダヤ人から没収した国有財産を守るべく、金銀財宝を積んだ"黄金列車"がオーストリアへ向けて出発した。途中財産の強奪、横領を企む勢力から財産を守った官吏の奮戦の物語(政府もユダヤ人から分捕ってるんだけども)は、普段四角四面のお役所仕事と揶揄される官吏の本領発揮。記録は逐一残し、記載不備ははね除け、受領書を求める。作中で「文官は怖い」と言われているが、武力にも法と書式に則って抗う姿は潔い(ユダヤ人の財産も法の力で奪ってるけど)。これが文民政治だ。解説も必読。2022/05/14

BATTARIA

12
列車が発車したのかまだなのかがさっぱりわからず、からくりに気づいたのは、四分の一程読み進んでからだった。史実自体が藪の中なのに、そこにフィクションを織り交ぜるのは、読み手の当たりはずれの印象は分かれそうだ。それにしても、敗戦亡国となると、人はああも堕ちるものなのか?公僕がそれでも任務を全うすると云えば聞こえはいいが、読んでカタルシスが感じられないのがちとキツイ。ハンガリーがセルビアからむしり取った地で市長となり、もう戻れないというのが切ない。解説者がモリカケサクラを引き合いに出したのは、蛇足もいいところ。2023/10/10

ぱせり

10
理不尽な命令や裏切り、公然の横領、武力による脅し。その都度の官吏たちの駆け引きが見もの。武器をとらず、血を流さず、怪しい輩を退ける文人たちの手腕に舌を巻く。とはいえ、正義、誠意、責任……重たい言葉が頭に浮かんでくるたびに、誰に対しての?と思う。列車のまわりを飛び回る赤毛の少年の一団が、鮮やかに心に残っている。2022/04/14

Good Tomorrow

9
第二次世界大戦末期。ハンガリーからドイツまでユダヤ人から没収した財産を運んだ黄金列車。主人公ハンガリー大蔵省官吏、初老のバログ。暴力に頼らず弁舌のみを用い、あくまでも法に則った形で危難を解決していく。私の思想や信条を別に、公人としての使命を全うした者たちの物語。モノクロで、盛り上がる場面もあまりない、静かで重厚な映画を見ているような感覚。2022/04/02

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