内容説明
人は美しく生きねばならない。義に生きる武士たちの清廉な生き様を描いた時代小説や、人生観揺るがす骨太の歴史小説で多くの読者を魅了し続けてきた作家・葉室麟。遺された作品の数々を紐解くことで、主人公に託した思いから、創作のなかでたどり着いた珠玉の人生観までを明らかにする。小説ゆかりの京都の名所案内を兼ねた、何度でも読み返したい一冊。澤田瞳子ほか、豪華対談とコラム「現代のことば」を書籍初収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
51
葉室さんの、必ずしも熱心な読者ではなかったが、折に触れて読んだ作品からはいつも大きな感動をもらっていた。そんな葉室さんに少しでも近づけたらの思いで手にした一冊。『乾山晩愁』、『墨龍賦』、『弧篷のひと』等の作品について、著者自らが登場人物やその周辺の場と歴史に関わる深い思いを語る。琳派の文人はもとより海北友松や小堀遠州など、名前を聞くのみで事蹟について殆ど知ることがなかったが、初めて目にする歴史的事象も多く、堪らなく作品を読みたくなった。作家の思索の透徹さを思う。口絵に載せられた巨匠たちの作品に息をのむ。2022/08/15
まゆっち
8
葉室さんの作品解説とそれに関連した京都の寺院や場所の案内。京都行きたくなる!乾山の本は未読なのでぜひ読みたいです。墨龍賦は読んで実際見に行ったので復習できました。2022/08/04
1dv151097262m0k
2
図書館本/葉室麟さんが京都を案内しつつ、自書の解説も懇切丁寧にしてくれて大変面白く読ませて頂いきました。 本当に惜しい時代小説家を亡くしたと改めて思いました。 2022/07/13
こけこ
1
葉室麟さんが京都を案内してくれつつ、自書の解説もあって楽しめた。「憂いも悔いもあっていい」は、気が楽になった。2022/06/30