内容説明
15世紀末のパリ。ノートル=ダム大聖堂の副司教クロード・フロロは、聖堂前の広場で踊るジプシーの娘エスメラルダに心を奪われ、自分が育てた異形の鐘つき男・カジモドに誘拐させて、わがものにしようとする。しかし間一髪、王室騎手隊の隊長に救われ、エスメラルダはその若き隊長フェビュスに一目ぼれしてしまう。嫉妬に狂った副司教のクロードは、フェビュスを殺し、エスメラルダにその罪を着せ破滅させようとする。一方、エスメラルダの美しさとやさしさにふれ、いつしか愛情を抱くようになったカジモドは、彼女を絶望的な運命から救いだそうとするが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
90
「ノートル=ダム・ド・パリ」は興味があった本だけれど、読みにくいらしいので手を出しかねていた。今回出た角川文庫版は、読みやすさを目指した抄訳なので読んでみる。実際、すこぶる読みやすい。お話がどんどん展開して、メロドラマ性が高い。登場人物の造形が良いし、原書の挿絵が入っているのが気分を出しており、作品世界に入りやすかった。テーマ性はあまり感じなかったが、深く味わいたいなら完訳を読むべきなのかな。この機会にアニメ映画「ノートルダムの鐘」を見てみよう。救いのない物語をディズニーはどうアレンジしたのか?気になる。2022/03/11
佐島楓
78
ディズニーでアニメ化されたことくらいしか知らず、原作者が「ああ無情」のユゴーだったことも今回初めて知ったくらいだったが、海外文学を読みたい気分だったので手に取った。絶望的になるくらい救いがなくて驚いた。パリの街は差別と偏見と汚辱にまみれていた。この物語をどうやってアニメ化するんだよ……と、別の興味がわいてきた。ショックだったけど、読んでよかった。2022/03/18
ずっきん
66
簡略版なので超あっさり。やっぱユゴーは暑苦しくないと。でもそこを補うような当時の挿絵がグッジョブ。読みやすさは鉄板。2024/02/19
A.T
20
ラストは、さすがゴシックホラーの先駆け、悲しい純愛の帰結。初版掲載の挿絵が幾つかさしこまれ、夜の闇と光に浮かぶ都パリをイメージできて大満足。せむしの鐘つき男カジモド、ノートル=ダムの副司教クロード・フロロ、ジプシーの美しい踊り子エスメラルダ、女ならば誰でも惚れるイイ男の王室射手隊隊長フェビュス…といずれもキャラの濃い4人が織りなす片恋物語だ。ただ…今回は抄訳版だったのでそれぞれの悶えるような恋心が割愛されていたのが残念だった。やはり急がば回れで、原作の翻訳(岩波文庫上下巻)でないと。2025/07/20
信兵衛
20
抄訳ではあっても、訳者があとがきで述べているように、本作の醍醐味は十分に味わえます。適度に読み手の想像力が補ってくれるからでしょうか。とくに終盤の展開は圧巻! また、本書の素晴らしさは、1832年版のエッチング挿絵19点が収録されていることにもあります。 特にノートル=ダム大聖堂、鐘を打ち鳴らすカジモドの挿絵には魅了されます。2025/03/18
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