内容説明
「1件は俺の犯行じゃない。“思い出の場所”に真犯人の遺体を隠した。さあ、遺体捜しのはじまりだ」8人を殺害したとして死刑判決を受けた猟奇殺人鬼・浅沼聖悟の告白は世間を震撼させた。事件に疑問を抱く刑事の折笠望美は真相解明に乗り出す。一方、引きこもりの中学生・福本宗太は動画配信仲間から誘われ「遺体捜し」に出かけるが……。2つの物語が交わる時、驚愕の真実が浮かび上がる。予測不能のサスペンス・ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
121
★★★★★★★☆☆☆法廷シーンで幕を開ける下村敦史の長編。8人の女性を殺害したとして死刑を宣告された殺人鬼は、このうち1件の犯行を否認する。「犯人の一人を殺害し、埋めた」との発言を受け、世間では〝死体捜し〟が加熱するが――。捜査本部の方針に異を唱える女刑事と、仲間と共に死体捜しに参加する中学生ユーチューバー。異なる2つのパートが交錯する時、あっと驚く真実が目の前に現れる。作中で語られるSNS上での誹謗中傷やアニメ等性的コンテンツを短絡的に犯罪に結びつけるマスコミに対しての怒りは、著者自身の思いに違いない。2026/07/03
のり
76
八人もの既婚女性を殺害した「浅沼聖悟」は、死刑判決後に一件だけ否認した。しかも、その犯人グループの一人を思い出の場所に埋めたと言う。苦し紛れの偽証か?それでも判決は覆らない為に、本当の事かと世の中は騒然とする。遺体探しに動き出す者まで…もう一つの物語として、中・高生のひと夏の体験が描かれている。この二つの出来事の終着点が重なった時に、全体の闇が浮かび上がる。2023/06/21
オーウェン
62
連続殺人鬼の浅沼聖悟に死刑が告げられたのその直後、模倣犯を思い出の場所に埋めたという告白。これに刑事の望美は捜査を始める。並行して描かれるのは引きこもりでユーチューバーしかやることのない宗太。同じ配信仲間の2人と共に死体捜索の旅に出る。前者はともかく、後者は「スタンド・バイ・ミー」そのままな展開。少年たちの旅は冒険心をくすぐるものだが、これはミステリ。後半ある仕掛けが用いられる。どう繋がっていくのかという点で予想は出来るが、謎の答えをしっかりと明かしている。 だからこそ少年たちの旅の行く末は納得できた。2025/02/19
おいしゃん
37
隠された死体をめぐって、女性刑事とユーチューバーが探し回るという不思議な構図の事件。普段から刑事モノを読む身からすると捜査の描写は物足りなかったが、ミステリーとしてはなかなかハラハラさせられた。2023/01/28
ぴ〜る
31
SNSの普及に伴って嘘も真実も無理矢理作り上げられてしまうってとても恐ろしいなって思う。フォロワー数がどうだとか、いいねの数がどうだとか自分の都合の良いものだけしか見ない、寄せ付けないそんな世界にどんな価値があるのだろうと思ってしまうけれど、にしやんのきっかけを知ってしまうととても辛くて悲しくなる。「セイは自分であり、世の中の誰もだ。」本当にそうだと思う。誰もがきっと気付かぬ間に綱渡りで生きているような世の中なんだろうな。。。2022/08/04
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