日本経済新聞出版<br> 和らぎの国 小説・推古天皇

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日本経済新聞出版
和らぎの国 小説・推古天皇

  • 著者名:天津佳之【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 日経BP(2022/02発売)
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  • ISBN:9784532171636

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内容説明

『利生の人 尊氏と正成』で日経小説大賞を受賞した天津佳之氏の受賞第一作は6世紀末に即位した史上初の女性天皇、第33代、推古天皇を主人公に、この国の精神のなりたちに迫る野心的な作品。神代から始まる『古事記』はこの推古天皇の時代で終わっており、まさに日本が神話から歴史に移る時代の物語です。「和を以て貴しと為す」初の成文法・十七条の憲法、「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」との国書を中国の皇帝に捧げた初の遣隋使、氏姓によらない朝廷内の官僚の序列を初めて示した「冠位十二階」……朝廷が次々と国家体制を整える改革を断行したのは、推古天皇の御代でした。摂政・聖徳太子が主導し、政治を安定させるべく仏教の興隆を進めるなか、激動する東アジアとの関係を巡って生じた軋轢をも融和させる女帝の祈りに、人々は神代の昔から続く、この国に在る真心を見ました。和らぎの国とは、はたして――奇しくも昨年2021年は聖徳太子の1400年忌にあたり、この作品にも登場する聖徳太子創建の法隆寺はじめゆかりの寺院で盛大な法要が営まれ、大阪と東京の美術館・博物館では聖徳太子をめぐる特別展覧会が開かれたばかり。本作には、聖徳太子の伝説をめぐる、あっと驚く仕掛けも隠されています。

目次

壱 道を征く者たち   用明二年(五八七)四月
弐 すめらぎたる資格  崇峻五年(五九二)七月
参 厳(いつく)しき法  崇峻五年(五九二)十二月
四 久遠の祈り   推古二十八年(六二〇)五月
終 母と子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

90
推古天皇の諡名で呼ばれる炊屋姫を主人公とする物語。古代史というのは、作者の想像・創作の余地が大きいのだろう。この小説でも、竹田皇子の大胆な扱いなど、史実とは絶対に違うと思うが、着想は納得できる。蘇我氏と物部氏の対立、隋・唐との関係、複雑な朝鮮情勢、泊瀬部大君の殺害、疫病など、緊迫した時代情勢下で、朗らかに笑い、人の心の中の仏性を信じる炊屋姫の大君としての姿が「和らぎの国」を象徴している。蘇我馬子と厩戸皇子とのバランスを絶妙に保ちつつ深い懐で国を治める姿は、この国のリーダーシップの一つの理想形かもしれない。2022/06/13

aloha0307

28
「色白の美貌、引き締まり冴え切った」御顔の推古天皇 初の女帝である他に、厩戸皇子(今や聖徳太子と呼称しないそうです)が天皇になれなかった経緯を長年知りたくて読んだ。butこの点は言及なかったけれど、推古天皇は天真爛漫、よく笑う素敵な方…充実の読書でした。小野妹子 隋の皇帝喝見のシーンは緊迫感あるもコミカルでしたよ📕2022/04/24

紅香

26
『私が学びたいのは人の倫(みち)です』日本がまだ柔らかくカタチを留めていない動乱の時代。元々あって言葉に出来てなかったものを法(のり)として作り出す作業が始まった。。仏教伝来。日本大工初の斑鳩寺の建築。緊迫する三韓と唐土の関係。遣隋使での小野妹子の任務。国を良くしようと初めて尽くしの出来事にワクワクドキドキし、目を奪われた。推古天皇、厩戸皇子、蘇我馬子、竹田皇子。。先人たちが未来へ放った和らぎの音は水琴窟のようにコロコロと澄んでいて心地好い。『和らぎを以て貴しと為し』何て優しい音色だろう。原点回帰な一冊。2024/01/01

豆電球

19
「異なる者たちがそれぞれの音で以て琴を鳴らし、事を成す」。千年以上も前、奇しくも仏教がこの国に伝わった時代に捧げられた祈りは、この先の歴史を見ても叶えられたとは言い難い気がします。ただ、そうやって無自覚のうちに捧げられた祈りの数々を私はこれまでの歴史で何度も見てきました。皆想うところ目指すところは同じなのに異なる事から和を生み出せずに志半ばで消えていった人たち。彼らの無念や遺された志の上に私達は今立っているのですよね。その祈りを忘れる事なく、どうかこの先も和らぎを求める国、大和たる国であり続けますように。2023/03/12

まえぞう

16
厩戸と馬子の暗闘をベースに推古を浮き立たせるように話しが進みます。推古の息子、竹田を生きていたことにして、厩戸の行動に広がりを持たせていますが、明智光秀=天海説のようで、そこまでの設定が必要だったのかなぁとは感じました。2022/03/30

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