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内容説明
ニュースにはたくさんの数字が出てくる。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界を席巻してからは、なおさらだ。感染者数、陽性者数、再生産数、陽性率……。しかしその数字は、ニュースに出てくる時点で選択されており、記事のストーリーに沿うかたちで提示されている。因果関係は本当にあるのか。その数字は本当に「大きい」のか。増えた、減ったの判断の基準は本当に正しいのか。じつは数字によるミスリードにはパターンがあり、それを知っていれば大きな間違いは避けられる。具体的な例を使い、ユーモラスな語り口でその方法を伝授する。
目次
序
第1章 数字はどうやって人を欺くのか ──各部分では下がった再生産数が全体では上がってしまうわけ
第2章 体験談というエビデンス ──「熱いコンロに触ったら火傷をする」と「コーヒーでがんが治る」の違い
第3章 サンプルサイズ ──良い推定値を得るためには何人必要か
第4章 サンプルの偏り ──バスケットボール大会の会場脇でイギリス人の身長を測定すると
第5章 統計学的に有意 ──その結果がまぐれでないとしても、実際に意味があるとは限らない
第6章 効果量(エフェクトサイズ) ──寝る前にケータイを見ると睡眠時間が減る、でもどのくらい?
第7章 交絡因子 ──アイスクリームがよく売れる日に溺死が増えるのはわけがある
第8章 因果関係 ──何かが何かの原因であると言うのは、じつはけっこう難しい
第9章 それは大きな数ですか? ──分母が分からなければ、大きいか小さいかは分からない
第10章 ベイズの定理 ──「95パーセント正しい検査で陽性」は「陽性の確率が95パーセント」ではない
第11章 絶対リスクvs相対リスク ──「ベーコンを食べると大腸がんのリスクが20パーセント増」が意味するもの
第12章 測っているものが変わった? ──「5年間にヘイトクライムが2倍」は本当か
第13章 ランキング ──元になったスコアやデータの取り方を知らなければ、ほぼ無意味
第14章 それは先行研究すべてを代表するものですか? ──過去の研究の文脈に位置付けることなくして新しい研究の評価はできない
第15章 目新しさの要求 ──科学の学術誌が面白い研究結果を求めることの弊害
第16章 いいとこ取り(チェリーピッキング) ──データを見てストーリーが組み立てられる部分をピックアップすればしめたもの
第17章 未来を予測する ──降水確率5パーセントなのに雨が降ったら、その予測ははずれ?
第18章 予測モデルにおける仮定 ──感染予測のアウトプットは、アウトブレイク初期とロックダウン後では違う
第19章 テキサスの狙撃兵の誤謬 ──実際に何も起こっていなくても起こっているように見せられる
第20章 生存者バイアス ──成功した例だけを見ても何も分からない
第21章 合流点バイアス ──喫煙がコロナを予防する? 調整すべき変数を間違えるとどうなるか
第22章 グッドハートの法則 ──数字が目標になってしまうことで生じる誤ち
結論および統計スタイルガイド
謝辞
訳者あとがき
原註
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_apojun_
ひろ
Hidetada Harada
むむむ